どんな人でも白熱する時は理由がある



そして、戦いが始まった。


「くっ、俺の前をいつまでも走れると思うな」
「これがあたしの戦法だ。このままゴールだ」
「そうは行くか!これで貴様も終わりだ」


そう言ったベジータから、とてつもない気が高まっていた。


「ちょっ、スーパーサイヤ人になるのは卑怯ですよ」
「知らんな」
「こっちは一般人なんだよ、そこぐらい考えろ!」
「はあぁぁぁぁ」
「聞けー!って、負けるかぁ」


名前とベジータの戦いは、もう直ぐ勝負がつこうとしていた。


「トランクス君大丈夫?なんか、ボーってしてるよ」
「いや、その、あんな父さん初めて見た」
「そう言われれば、珍しいよね」
「で、いつお姉ちゃん返してもらう?」
「今は無理だろ」
「えー。僕もお姉ちゃんと遊びたいのに」
「だからって、今は…どう見てもあの場所に入って行けるわけないだろうが」


そう言ったトランクスと悟天の視線の先には、コントローラーのボタンをコレでもかというくらいに連打している名前と自分の父であるベジータの姿だった。


「はぁ。はぁ。はぁ……」
「だぁー、つ、疲れた」
「貴様の負けだ」
「分かってますよ。はいチケット」
「フン。なら、さっさと立つんだな」
「は?」
「貴様の下らない遊びに付き合ってやったら、腹が減った」
「では、さっそく使えばいいんじゃないですか?」
「だから、さっさと立てといっている」


名前の腕を掴み、無理やり立ち上がらせると、窓へと向かって歩き出すベジータ。
そんなベジータの行動に頭がついていかないまま、腕を引かれて歩き出す。


「えっ、いや、チケットあればあたし必要ないよベジータさん」
「黙って、俺に着いてくればいい」
「は?いやいやいやベジータさん?」


名前の言葉を無視して、ベジータは窓に足をかけた瞬間。


「待って、ベジータさん。あたし高所恐怖症!!」
「……チッ」


そう言うと、ベジータは行動を止め、玄関がある方向へと向かっていった。
そして、部屋の入り口にいたトランクスと悟天と目が合ったベジータは、止めた足を進めながら口を開いた。


「今から出かける。ブルマに伝えておけ」
「あ、うん」
「ベジータさん、お姉ちゃんは?」
「名前は俺と一緒に出かける。さっさと行くぞ」


そう言って、腕を引かれて出かけた先はチケットの店で、理解が出来ないまま名前はご飯をベジータと一緒に食べていた。

そして、名前の思考には一言だけ浮かんでいた。


「(やっぱり親子だな。無理やりというところは親から教わったのかトランクス)」


END

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