April 1st
待ち合わせは14:00。
携帯のデジタル時計は
もうすでに、14:30を示している。
待ち合わせ場所の駅の時計も
間違いなく14:30を示している。
万が一を考えて、昨日のメールを確認してみたが、
画面には"待ち合わせは14:00な!"と
しっかりと映し出されていた。
この状況から導き出せる答えは
ブン太が待ち合わせに遅れているということ。
しかも30分も。
ありえない。
女の子を待たせるなんて
どういう神経してるのよ!
明日、柳生に言いつけてやろうか!
それに、遅れるなら遅れるで
電話の一つくらいしてくれればいいじゃないのっ!
そう考えていると、
〜♪
私の携帯が鳴った。
画面にはブン太と映し出されている。
〜っ!なによ、もう。
今更、言い訳したって許さないからね!
「もしもーし。」
『もしもしっ!何なの!』
遅れているのにも関わらず、
ブン太はフザケた声で話すから
さらにイライラが増した。
「あのさー…。今日無理になったー。」
『うん、え?はぁっ?!なんて?』
「だーかーらー。無理になった。」
『はぁああぁっ?!』
ナニヲイッテルンダ、コイツハ。
お前から誘ってきたんだろーがぁっ!
ケーキバイキング行きたいとか言うから!
わざわざ予約までとってたじゃん!
それを今になって無理になった?!
フザケてんじゃないわよ。
しかも30分も過ぎてんのっ!
言い出したらキリがない不満は
頭の中でぐるぐる回っただけで、
口から出てこなかった。
どれから言ってやればいいのか。
やっと考えがまとまって、
文句を言おうとおもったら
先にブン太の方が口を開いた。
[←prev][→]