ミルス・クレアでの授業を終え、正門を抜けてラティウムの街を歩く。 よく行く雑貨屋さんや食料品店、更には自宅を通り越して歩き続ければ、ドラーグ発着場へとたどり着く。 丁度到着したばかりらしく、沢山の人が地面へと降りて来る中で、私はお目当ての人物を見つけ出した。 彼も私の姿を認め、呆れたような表情でこちらへとやって来る。
「お帰りなさい、アルバロ」
にこりと笑えば、吐き出されるため息。
「また覗いてたのかな、ルルちゃん……?」
プライバシーの侵害だ、そう言いたそうな非難がましい眼差し。
「あら?アルバロだってそう思ってたから、また女の人に迫られてた時には早々とあしらったんじゃないのかしら?」
また魔法でアルバロを見ていた時、再び女性に迫られていた彼を見かけた。 しかし、今度のアルバロは、早々とその女性をあしらっていた。
「本当…、悪女に成長したね、ルルちゃん…」
「アルバロ色に染まった結果よ」
そう言うと共にアルバロの手を取り指を絡ませて繋ぐ。
「…はぁ……。俺色に染まったって言われても素直に喜べないなぁ……」
呟かれた言葉に私は笑う。 しかしそれが気に入らなかったのか、アルバロは繋がった手を引き、私の唇に口づけた。 開いた手で指を髪に絡ませるようにしながら頭を固定され、口づけは深くなる。
人の多いドラーグ発着場。勿論人の目も多い訳で。 当然のように私たちは注目を集めていた。 だけどアルバロがそんなことを気にする訳もなく。そしてそんな彼の色に染められた私も、昔のように羞恥を表したりなどしない。
「アルバロ……?」
「どこまでお前の全ては俺色に染まってる?」
耳元に唇を寄せ、アルバロは艶やかに囁く。 それと同時に髪の毛からするりと抜けた指は、私の頭から輪郭を辿り、首筋を撫でる。体のラインに合わせて下りてきた手は、最終的に腰に回って私をよりアルバロに密着させた。
「ふふっ……」
「何かな?」
「アルバロも私色に染まってきてくれてるのかしら?……ううん、もう染まってくれてるかしら?」
どう思う?そう囁けば、見開かれるアルバロの瞳。
「本当…お前には敵わないな……」
それは気付かないうちに。
(関係を続けたいと思っている時点で、とっくに相手の色に染まってる)
―― 透様よりリクエスト頂きました ワンド2のアルバロ3年後設定です
今までアルバロのほうが主導権を握っていたのに、3年後には逆転していて、アルバロざまぁ見ろ!と思ったのはきっと私だけじゃないはず…!!
アルバロ好きなんですが、実はアルバロ書くの初なんだって気付きました アルバロのキャラってこれでよかったのかしら…?と心配になったりしましたが、無事書き上げられて安心してます
アルバロを書く機会をくださった透様、ありがとうございます! リクエストありがとうございました!!
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