休日の今日。
俺はルルを誘って裏山に来ていた。
いつものごとくたわいもない話をしたり、寄って来る動物たちと戯れて過ごした。

そして今はその帰り道。
道がよくないので俺はルルの手を取って一歩前を先導する。
幾度と握った手だが、その小ささや柔らかさ、俺とは違う女らしい手にはいつも心臓が高鳴る。

「ルル、足場悪いから気をつけ――」

「きゃっ!?」

俺の忠告より早く、ルルは足を滑らして背後に倒れそうになる。

「ルルっ!」

繋いだ手を少し強く引き、重力とは逆方向へ――つまり俺のほうへ引き寄せる。
空いた手で俺に倒れ込む寸前のルルを止めて体勢を整えた。
危ない、危ない。抱き着かれてたら俺がミニドラゴンになっちまう。

「大丈夫か、ルル?」

「…うん、大丈夫。ありがとう、ラギ」

「っ…!?…あ…あぁ…」

ルルが俯いていた顔を上げると、予想以上に俺との距離が近い。
更に、どこからとなく香る甘い香りにくらりとくる。
俺は顔に熱が上るのを感じて、すぐに顔をルルから逸らした。
そして支えていた腕も離す。
これ以上触れてたら、なんかやべぇ……。
しかしルルは俺の肩に手を乗せ少し背伸びする。
そして俺の頬に柔らかな感触。
それがルルの唇だと気付くのに時間はかからなかった。

「助けてくれてありがとう、ラギ!」

ルルは欝すらと頬を染めて笑顔を向けているのに対して、俺はきっと顔を真っ赤に染めているのだろうことは簡単に想像がついた。

…畜生、我慢の限界だ。

今度は逆に俺がルルの肩を掴み、少々強引にあいつの唇に自分のものを重ねた。





無垢な色香に捕われた

(無意識だから質が悪い)









――
相互してくださっている友人ハミからリクエストを頂きました!
ちゃんと期待通りに書けているでしょうか…?

多分このあと二人そろって真っ赤な顔して帰寮して、アルバロにからかわれるんだと思います(笑)

それでは、リクエストありがとうございました!







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