「…ねぇ、ラギっていつから私のこと好きだった……?」

「なっ…!?」

こいつが突拍子なのは分かっているが、今日も相変わらずだ。
し、しかも、いつから好きかだって……!?
慌てふためく俺に、ルルはいつ?と顔を近付けて迫る。

「お、お前近ぇ!ちょっと離れろ…!!」

息がかかりそうな距離に心臓が高鳴り、俺は少しルルから距離をとる。
あいつは不服そうにしながらも再び近付くことはせず、しかし、いつ?と質問は続けた。

「い、いつからって……、何だよ急に……」

視線をそらし答えると、ルルは俺と視線が合う場所に移動してきた。

「気になったんだもん……」

だってラギ最初はすごい素っ気なかったし……、と少ししゅんとするルルを見て、俺は今度は自分からあいつに近付き、そのふわふわとした髪を撫でた。

「ラギ……?」

「……お前はどうなんだよ…?」

「え……?」

「…お前はいつから俺を好きだったんだって聞いてんだ……!!」

あぁ、畜生、恥ずかしい……。
俺がこんなことを聞くとは思わなかったのだろう、ルルはきょとんとしたかと思うと、突然顔を真っ赤にさせた。

「わ…、私は今ラギに質問してるのよ……!」

「じゃぁ、お前が答えたら答えてやる…」

ルルは、ずるいわ……、と呟いた後、恥ずかしさでか少し潤んだ瞳で俺を真っ直ぐに見つめ、口を開いた。

「…気付いたら好きだったわ!!ラギのことが大好きになってたわ…!」

……やべぇ、すげぇ可愛い…。
こういう時特に、抱きしめられない自分の体質が凄く恨めしくなる。

「……俺も同じだよ。気付いたらお前のことばっか考えてて……」

あぁ、絶対ぇ今俺も顔赤いだろうな…、と思いながらも、ルルから顔を逸らすことはしなかった。
だってきっとルルは――

「えへへ」

こうやって普段と違う、俺だけが見れる可愛い顔して笑うんだ。

我慢できなくなった俺は、ルルのその幸せそうに弧を描く唇に、そっと自分のそれを押し当てた。





いつから…

いつのまにか、お前は俺の心の中にいた









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