ばかみたいに欲張りになってた/関興 1/2


 彼女のことばかり考えてしまう理由に気付いてからというもの、今度は次に彼女に会えた時のことばかり考えるようになった。
 顔が見たい、声を聞きたい、触れたい、抱きしめたい、温もりを感じたい。そんな考えがぐるぐる頭を廻る。
 そこではたと気付く、前は理由も分からず、ただ「会いたい」とだけ思っていた……はず。
 今、彼女に会う度に思うこと、ずっと一緒に、傍に居て欲しくなる、抱きしめると離したくなくなる。

「……いつの間にこんなに欲張りになっていたのだろう……。人を愛するということは欲張りになる……ということなのだろうか」

 彼女も同じようなことを考えているだろうか。もし同じように彼女も欲張りになっているのなら……満たしたい。彼女が私の心を満たしてくれるように。

「また一つ……欲張りになってしまった」

 彼女という存在が与えてくれる欲は、どこか心地が良くて。

「やはり私は……どこかおかしいのかもしれない」

 思わず笑みがこぼれた。この欲も、感情も、貴女が与えてくれたものだと思うと全てが愛しい。


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