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- ナノ -
(67話)

バイト探しを始めて数日。
やはり住所のない人間を雇うのはむずかしいようで、なかなか長期間雇ってくれるバイトは見つからない。
今は日雇いのバイトで遊星さんに許してもらっている状態だ。彼は「焦る必要はない」と言ってくれるが、そうもいかない。
日雇いのバイトとポッポタイムの管理人ゾラさんのお手伝いが今の私にできることだ。

掃除を終わらせて昼食の準備を終えた私は、遊星さんを呼びにガレージへ向かった。
今日もDホイールの調整をしているのだろう。
扉を開けて遊星さんに声をかけると、彼はヘルメットを手にこちらを向いた。


「あれ?お出掛けですか?」

「ああ。修理の依頼が入ったんだ。アカデミアに行ってくる」

「アカデミア……」


デュエルを学べる学校だっけ。機材でも壊れたんだろうか。
シャッターを開け、遊星さんはDホイールに跨がる。ヘルメットを被って私を振り返り、「行ってくる」とだけ言って出て行ってしまった。

あー……昼食のこと聞くひまなかった。

とりあえずシャッターを閉めて、ゾラさんのもとに戻った。
まあその内帰ってくるだろうし、ラップして置いておこう。


2016.11.28

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