(98話)
遂にWRGPが開幕。
会場となっているスタジアムの周りでは出店が並びお祭り状態だ。
街中のモニターがWRGPの様子を映し、市民はそれに釘付け。
盛り上がるスタジアムの観客。
燃え上がる闘志を煽るMCの実況。
チーム5D's最初の対戦相手は、優勝候補に名が上がるチームユニコーン。
ピットで準備を整え、第一走者のジャックにヘルメットを渡す。頑張って下さいと当たり障りのない応援をしてジャックを見送る。
「当然だ」と頷くジャックの瞳は鋭く、さすがはキングと言わざるを得ない。
重い威圧感と燃ゆる闘志。対峙したら膝が笑ってしまうだろうな。
「……うまくいくのかな?」
サーキットに向かったジャックの背中を見送り、旗を広げる。
心配なのは三人の事だ。今も亜空間で私を含めこの会場の様子を見ているに違いない。
本当に上手く行くのだろうか。
ホセが提案し、今日この日まで準備をしてきたWRGP。
ちゃんと巨大なサーキットが浮かび上がると良いんだけど。
2017.01.06
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