ボロスとサイタマ

※ネクロマンサー夢主

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「雨、やみそうにないですね」

『そうだな』

「なんで傘を忘れてしまったんですかね」

『俺の知った事ではない』

「天気予報、今日は見てませんでしたね」

『珍しくな』

「……ボロスさん、濡れませんか？もう少しこちらにきてもいいんですよ」

『霊体である俺を心配するな。雨粒は体をすり抜ける』

「あ、そっか……そうでしたね。普段より体がリアルに見えたので、気になってしまって」

『“お盆”とやらの影響だろう。霊が集まると聞く』

「ふふ、そうですね」

『……寒くはないか』

「寒くないですよ。私、そういう感覚が鈍いので平気です」

『震えている』

「えっ」

『お前自身が寒くなくとも、体は寒さを訴えているようだが』

「なんで……？私の肉体、封印の影響で構造が変わってるはずなのに……」

「お盆だからじゃねーの」

「あ、サイタマ先生！」

『遅いぞサイタマ』

「うるせーな文句言うな。ほらよ、傘」

「あ、ありがとうございます！私が困っている時に現れるなんて……やはりあなたは神様です！」

「いや別に神じゃねーし。こいつが俺にモガッ」

『余計なことを言うな』

「ボロスさんがどうかしたんですか？」

「……なんでもねぇ。んなことよりさっさと帰ろうぜ。多分ジェノスが夕飯の支度してるし」

「お、お手伝いしなければ！」

「おーい、走ると転ぶぞー」

『……サイタマ』

「ん？」

『感謝する』

「いや別にしなくていいって。俺もなかなか帰ってこない名前を探してたし。お前が教えてくれなかったらもう少し時間かかってたかもしれねえし」

『そうか』

「サイタマせんせ～……濡れちゃいました～……」

「だから言っただろ転ぶから走るなって……」