小説 | ナノ

「毒耐性なぁ」

研究室に籠もって3日経過している。研究室にあるシャワーを使っているが髭をそり忘れたらしい。伸びた髭を撫でながらゆっくり伸び、ストレッチをする。バキバキと骨がなる。あぁ、同じ体勢は辛い。そろそろリーダーやめて研究に没頭するのも悪くないなぁ。

「ニドー?」
「あ、勝手にボールから出るなって言っただろ」

気付いたらボールから出たニドラン♀が俺の胸をぐりぐり頭で押してくる。甘えた動作も可愛いが、持っている毒が倒れると危ない。ほら、戻れと言うとしゅんと小さくなってボールへ戻っていく。

「………これが終わったらみんなでお茶するか」

口元が緩んでしまうのを伸びきった白衣の裾で隠す。ボールが嬉しそうに揺れたのが分かった。

character:チコリ(毒)