「リク先輩がお兄ちゃんだったらすごい楽しそうですよね」


一通り仕事を終えて、ミニゲームをしている皆をじっと見つめているリク先輩を見て、さっき思ったことを呟いていた。


「ん、いきなりどうした?」

「あ、邪魔しちゃったみたいでごめんなさい…」

「大丈夫、大丈夫。で、俺が兄ちゃんってのは?」

興味津々と言わんばかりの瞳を向けられてしまえばさっきの発言をなかったことにできるわけもなくて、私は小さく息を吸い込んだ。


「さっき、洗濯物を畳んでて思ったんです。私、一人っ子で誠凛バスケ部の雰囲気がすごく大好きなんです。
先輩方は皆さん優しいですし、すごく頼りがいがあって。
…その中でもリク先輩は面倒見がいいですし、明るくてすごく話しやすいですし、リク先輩みたいなお兄ちゃんがお兄ちゃんだったらいいなぁ…、なんて。
って、いきなり迷惑ですよね!ごめんなさい!」


いつの間にか一方的に話していることに気づき、私は勢いよく頭を下げる。すると優しく頭を撫でられる。
近くにいるのはリク先輩しかいないわけで、そうすると必然的にこの手は…。



ドキン、と周りにも聞こえちゃうんじゃないかっていうくらい胸が鳴った。


「へぇ、俺のことそんな風に思っててくれたんだ。ありがとな。
…ほら、そろそろ顔上げろって」


ゆっくりと顔を上げると、ニッと勝気そうな性格が滲んでいる笑顔を浮かべているリク先輩と目が合う。


私の大好きな、リク先輩に恋したきっかけの眩しい笑顔。




私はふいに、入学したばかりの桜が散り始めたばかりのことが脳裏に蘇ってきた。








「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -