<クライマックス フェイズY>
歪みの中から現れた最凶を冠する悪魔の英雄は、自らの力を誇示するように腕を揺らす。その手にある幾多の刃は鈍い光を灯し、白銀の翼を見下ろした。
「E-HEROマリシャスデビルで攻撃。――エッジストリーム!」
3500。数値にすれば明らかな攻撃力が刃に乗せられ、スターダストドラゴンに向かう。迎え撃つ光のブレスをいとも簡単に貫き、突き刺さった鋭い刃に鳴き声が響いた。
スターダスト !
全身を切り裂くような痛みが遊星を襲い、自らの言葉が喉の奥に飲み込まれる。誰かの叫び声が聞こえた。
かすんでいく意識の中で、手を伸ばし、散っていく光の破片を掴んだ。掴んだはずのものが、手の中で消えてしまう。すまない。一緒に戦ってくれたのに、また、俺はお前を傷つけてしまった。
後悔というの名の闇の中に、思考が沈んでいく。
「遊星!!」
目の前が暗くなっていく中、アテムの鋭い声が聞こえた。張り上げられた声は力強く、空気を振動させ、世界をかすかに揺らしていた。
その声に少しだけ遊星の心が安らぐ。守れたのかもしれない。闘いに負けたのだとしても、
ここで終われば、
「超融合を、発動!!」
遊星の意識が途切れる寸前。完全な闇の世界へ落ちていく中で、十代の声が、とても遠くに聞こえた。
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