――ょぅ……
何か視線を感じて目を開けると、その拍子にシャーペンが手から落ちて転がり始めた。
「……っ!」
危な、かった……。机から落とすなんてしたら、ボクに注目が集まってしまう。これはとても危険なことだ。運が良ければ何もない。でも、もし、そのまま先生に当てられてしまったら……
そんなことより、視線だ。
シャーペン落下による注目は阻止した。先生は黒板に意味不明の数式を書いてて誰かを指そうとした様子はない。
じゃあ、誰だろう?
隙を見て周りを確認すると、城之内くんは爆睡してるし、杏子と本田くんはノートを取ってるみたいで、獏良くんは外を見てた。残るは……
振り返ると、どうしたんだ相棒?と首を傾げたもう一人のボクと目があった。
なんてことない、いつも通りだ。
武藤遊戯の一日は、すでにはじまっていた。
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この短さがすでにギャグです。
視線の正体は……誰でもいいと思います。