晴れていても傘は忘れずおいでよ。





明日と昨日の間





「それなら…死んだ方がずっとマシだよ」



そして笑った。

ただただ無邪気に笑った。



あなたは言う。


俺と離れるくらいなら、死んだ方がマシだと。



そんなことを言わせてしまう自分の存在は、果たして正しいのだろうか?



生まれてきたことが間違いなんじゃ――…なんて今さら言わないけど。


だけどきっと自分と一緒にいるよりも、ずっとずっと幸せな人生が、あなたにはあるはずなのに。



分かってる。


分かっているけど、掴んでいるこの手は離したくないんだ。


酷い人間だね。




「もし俺が、世界中から恨まれるくらいの重罪人だったとしても――」



あなたの隣にいる人間は、世界で一番大切な人の幸せよりも、自分の幸せを望む酷い人間だよ?


それでもあなたは―――…


「俺の名を呼んでくれますか?」


何を言っているのとまた笑われた。



「当たり前じゃん!!」



ああ。
これからきっと、世界は俺達を忘れるよ。



それでもいいよね。

ずっとずっと一緒にいれるなら――…




そしたら二人で、世界の終わりを見に行こうよ。


fin.






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