「だからね精い「駄目」」 本日3回目のお願いは、他2回と寸分違い無く同じ2文字で一蹴された。 なんでだ。 「花月、自分が何言ってるか分かってるの?」 「だから、隣のお兄ちゃんの恋愛相談を「そのお兄ちゃんとやらの家でするの?」」 う、まずいなんかバックが黒くなってきた。 でも引けない。お兄ちゃん私のとき親身になって考えてくれたもん。恩は返さなきゃいけない。と思う。 そもそもお兄ちゃんには既に恋人がいる。それも大学出たら結婚したいね〜あはは〜みたいなそんなくらいラブラブだ。ゾッコンだ。過不足なくお互いゾッコンなのだ。むしろ既に新婚なんだ。そんなお兄ちゃんは疑う余地がない。絶対無い。 「大丈夫だって、お兄ちゃん彼女いるもん」 「男をそんな甘く見ちゃいけないよ、何しだすか分かったもんじゃないから」 いや待って精市も男だからね!? 「どうして君がそのお兄さんの家に入る必要があるのさ」 「いやそれは」 プロポーズの指輪のデザインについて家の前で相談する人いないでしょうが。っていうか相談それなんだよ疑いようないよ! 「そもそも、どうしてその人の恋愛相談、乗るの?」 「え」 「どうして?」 え、これ言わなきゃ駄目なのか? いやそんな馬鹿な!あんな恥ずかしいこと死んでも言えない!! 「………」 「………」 「…せ、精市って強引、だよね…」 しまったあああぁぁぁ。なんなんだよそのかわしかた何もかわせてないよむしろ自分で相手の真正面に飛び込んでるよ!!大魔王の真正面だよ! 冷や汗だらだらな私だったが、ふと精市をみると真剣な顔をしていた。あれ、さっきまで不満とドSが入り混じった顔だったのに。あれ。 「…そういうの、嫌?」 「え…」 「だってさ」 「好きな子を野放しに出来るほど余裕ある男じゃないんだよ、俺」 惚れた私が悪いのか (ごめんお兄ちゃん) (相談、乗れないかもしれない) ←→ |