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こんな気持ちになるのなら…好きになんてならなければよかった。

視界に入るのは私の愛してる方。その姿を一目見ると、私は彼の元に駆け寄った。


「ルーク!!」
「あっ、ナタリア!!」


ルークは笑顔で私の方を振り向いた。

あら、この顔…何か良いことでもあったのかしら。


「どうかしましたの?顔が嬉しそうですわ」
「え?そ、そうか?」


照れくさそうに笑うルーク。

嗚呼…この表情は…。


「ティアのことですか?」
「え!?な、何で分かったんだよ!!」


分かりますわ。貴方のこと、いつも見てますから。


「そんなにティアのこと、好きですの?」
「すすす好きじゃねぇよ!!」


そんなこと言って…貴方の嘘はバレバレですわ。ティアのこと…好きなのでしょう?


「あら?ティアがいるわよ」
「ティ、ティアは関係ねぇだろ!!」
「ほら!!早く行ってきなさい!!」
「ナ、ナタリア…!!」


私はルークの背中を押す。そして、その背を見送った。

辛い。悲しい。貴方のことを愛しているから…こんな気持ちになるの。何故、私は貴方のことを…好きになってしまったのだろう。恋なんて…しない方がいいのかしら。

ねぇ、ルーク。貴方には………私の気持ち、分かりますか?





恋はなんて
残酷なのだろう
それでも私は愛し続ける