「へ、陛下…助けてください…!!」
「ん?どうした?」
「と、とにかく、匿って下さい!!」


この人に頼るのもあまりいい気分じゃないけど…今はそんなこと考えてる場合じゃない…!!


「で、どうしたらいいんだ?」
「ジェイドが来たら、俺のこと見てないって言ってくれませんか?」
「何だ、そんなことか。じゃあ、どっか隠れとけ」


陛下に言われて俺はクローゼットの中に隠れる。ドキドキして仕方がない。

ジェイドに見つかったら俺…ただじゃ済まされねぇ…何でジェイドの仕事の邪魔したんだろ…アホだろ、俺…。

既に俺と一緒に邪魔をしたミュウは餌食になっている。

悪ぃな、ミュウ…俺も見つかったらどうなっちまうんだろ…。


「陛下。こちらにルークが来てませんか?」
「いや、来てないな」


やっぱりジェイドはここに来たか…このままどっかに行ってくれたら…!!!


「陛下…私に嘘をついても無駄ですよ?」
「何のことだ?」
「おや?気付いてなかったんですか。陛下、ルークが部屋に来てるとき…いつも笑みを絶やさないんですよ」
「……………」


クローゼットの外で聞こえる会話。

ヤバい…バレる…!!


「ルークも…そこにいるのは分かっているんですよ」


声が近付いてくる。そして、クローゼットの扉が開かれた。外にいたのは眼鏡が不気味に光っているジェイド。ついでに怒りの笑みを浮かべている。


「ジェ、ジェイド…」
「さて、ルーク…どうなるか分かっていますよね?」
「そ、それは…!!」


脳裏に浮かぶのはお仕置きという言葉。一気に顔が青ざめる。


「では、行きましょうか」


ジェイドは笑みを絶やさないまま、俺の腕を無理矢理引っ張る。


「ジェイド!!お、俺、反省してるから…お仕置きだけは勘弁して…!!」
「さて、今日は気絶してもやりましょうか」
「嫌だぁぁぁ!!!!」


そのまま陛下の部屋から強制的に出された。ピオニー陛下は呆然と俺を見つめるだけ。部屋の扉が閉められると、廊下だというのにジェイドは俺を抱き締めた


「ジェイド、ここ、廊下…」
「私を妬かせた分、今日は手加減しませんよ?」
「………ごめん」


ジェイドは俺の額にキスを一つ落とした。

今日は我慢しよ…ジェイドに迷惑かけたんだし………妬いてたんだ…。

次の日。勿論、俺は腰が痛いあまり、ベッドから出ることが出来なかった。

これからは気を付けよう…。





恋人の取り扱い方法は?
妬かせないこと





陛下もルークのことが好きです。本人は隠してるけどジェイドにはバレバレ(笑)