アスカガ編

お昼休み、アスランとカガリは屋上でお弁当を食べていた。
そこで発せられたとある一言。

「なぁ、アスラン」
「ん?」
「キス好き?」
「えっ!?」

質問に驚き一瞬にして固まる。
一方のカガリは小首を傾げながら答えを待っていた。

「えーと……すっ…好き//」

アスランはドギマギしながら、顔を赤くしたまま答えた。
どういう意味があるのか見極める為、カガリの目をじっと見て言った。
すると、カガリは花が咲いたかのように笑う。

「そっか、よかった。明日、楽しみにしててくれよな」



次の日。
アスランは高鳴る心臓を何とか落ち着かせながら、お昼休みを待った。
そして、待ちに待った時間が訪れる。
昼休み。
誰もいない屋上。
期待はメーター振り切れる程、高まっていた。

「アスラン!」
「カガリ…」

見詰め合う2人。
ここは男からリードすべきとカガリの肩に手を回して抱き寄せる。
目を閉じてキスをしようとするアスランの前にカガリが笑顔であるモノを差し出す。

「ハイ♪」
「へっ?」

それはお弁当箱。
蓋を開けて中を覗けば……

「ジャーン!キスの天ぷらだぞ。他に南蛮漬けもあるぞ!!」

カガリの顔は満面の笑みで溢れていた。
アスランは全く頭がついていかない。

「えーとっ…」
「昨日、キス好きって言ってただろ♪」
「キス……キスって、鱚の事なのか!?」
「ん?それが以外に何かあるのか?」

それはそれは濁りどころか汚れすら全く知らない透き通ったオレンジ色の瞳で言われた。
アスランの全身がガッカリとした疲労感に覆われ、それでも平常心を保たせ全ての力を絞り出して声にする。
作った笑顔を貼り付けて。

「そっ……そうだな。鱚以外ないよな…アハハ…」
「アスラン、アーン♪」

にこやかな顔で鱚の天ぷらを差し出される。
勿論、アスランに断れる訳もない。
一口、頬張る。

「美味しいか?」
「ああ…」
「よかった。一杯作ったから食べてくれよな」

見せられたのは、また別のお弁当箱。
それは山のように作られた鱚料理達。
当然、アスランは全部食べる事になる。
その後、胸焼けを起こしたのは言うまでもない。




通称ノーマル編の
アスカガバージョンです

2011.4.1










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