殺したいくらい
「んっ…ふっ…」
深く長く濃い口付けが終わると2人の間にその名残が現れる。
「はぁ…はっ…苦しいだろアウル」
「んっ、そう?僕はそうでもないけど」
アウルはしれっと言い切る。
逆にカガリは大きく溜息を吐く。
「だって僕、殺したいくらいカガリが好きなんだもん。死んだカガリも愛せるよ」
悪戯っぽく笑っているアウルだが、青い瞳の奥にギラギラとした炎が見え隠れしていた。
カガリの背中には悪寒が走り抜け、全身を僅かに震わす。
「わっ、私は…そこまで好きじゃない…」
「えーっ!ぶーぅ…」
あからさまに不満だと頬を膨らませるアウル。
外方向いて不貞腐れだす。
「私は…生きてるお前が好きだから、殺したいくらいなんて思わない」
「……」
「それに…」
「それに?」
「死んじゃったら……キッ、キスも出来なくなるだろ//」
頬、耳と真っ赤に染めてカガリはボソッと言った。
吃った上に小声で聞き取りにくい筈だったが、アウルの耳は一言一句拾った。
愛くるしい顔でカガリに抱き付き柔らかな胸に擦り寄る。
「アウル?」
「僕が間違ってた。カガリの言う通りだ。キスも、それ以上の事も出来なくなっちゃうもんね」
「なっ!?//」
茹蛸みたいに真っ赤になるカガリ。
恥ずかしさの余り離れて逃げようとするが、アウルが手放す筈はない。
「どこ行くのカガリ?」
「いやっ…その…あのな」
「キスしてくれた解放してあげる」
「……」
観念したカガリは目を閉じて口を寄せた。
小話です
管理人の話では膨れるアウルが
よく見られます★
2011.7.24