七夕に願いをA
今度は紙の擦れる音が聞こえだす。
「カガリの…どれ?」
「私の?」
「短冊」
「ああ、オレンジ色のヤツだよ」
「コレか……何、コレ…」
「私の願い事だ」
「つまんない」
書かれている内容が大層不服なのか、アウルはぶうたれる。
「つまんないとはなんだ。心からの願い事だぞ」
「ぶぅーっ」
“世界平和”
それがカガリの短冊に書かれている文字。
オーブ代表首長として真の願い事だ。
「もっと、何かなかったの?」
「何かってなんだ?」
「例えば、僕とイチャイチャしたいとか、僕とラブラブしたいとか、僕とチューしたいとか、僕と…」
「それ、お前の願い事だろ」
「ん?…そだね」
「だったら、短冊に書けばいいだろ」
カガリは机の引出しから水色の短冊を取り出し渡す。
Bへ続く