Cagalli's2011
本日5月18日。
カガリ・ユラ・アスハがこの世に生を受けた。
特別な日。
「「誕生日。おめでとう、カガリ」」
笑顔で祝うのはアスランとキラ。
「ありがとう」
カガリは飛切りの笑顔で返した。
「あっ、でも今日はキラの誕生日でもあるだろ。おめでとう、キラ」
「ありがとう、カガリ…そんな訳で僕とアスランとでお祝いしようと思って」
「お祝い?」
「ああ、楽しいお祝いだ」
アスランは軽やかに笑う。
「楽しい?」
「うん、とってもね」
嬉しげに微笑むのはキラ。
「カガリが体力に自信があってよかった」
しみじみとアスランが言う。
「そうだね。2人分の相手をして貰わなきゃいけないから、簡単に意識を失われても困るしね」
「?…何の事だよ」
「「3人で気持ちよくなる話♪」」
アスランとキラ2人の言葉が重なった。
徐に、アスランはカガリの右手を、キラは逆の手を掴んで歩き出す。
訳の解らないままカガリは、そのまま奥の部屋へと連れ込まれそうになる。
そこへ、ハロが飛んでくる。
銀ハロと金ハロがアスランとキラの顔面に見事直撃。
「ギャッ!!」
「ふぎゃ!!」
衝撃の強さに2人は失神し倒れる。
呆然としているカガリの前に難しい顔のイザークとにこやかなディアッカが現れた。
「いや〜、危なかったね、姫さん。あのドS2人に囲まれたら体が持たないよ」
「危ない?」
ディアッカの言葉に全くついていけないカガリは小首を傾げる。
「ディアッカの言う通りだ。あの節操ない2人では貴様の体がどうなるか解らん」
しかめっ面で言うのはイザーク。
「そのてん、俺らは超紳士だから大丈夫。なっ、イザーク」
「えっ……ああ、まあ//……その…貴様の体の事は配慮するつもりだ//」
「そういう事!!んじゃ、俺とイザークの3人で姫さんの誕生祝いしようか」
実は言ってる事の内容がアスラン達と大差ないことに、カガリはちっとも気付いてない。
徐に、ディアッカはカガリの肩を抱えて、イザークはそっと手をとって歩き出す。
そこへまた、ハロが飛んでくる。
赤ハロと青ハロがイザークとディアッカの後頭部に見事直撃。
「んぎゃっ!!」
「ぐぅえっ!!」
衝撃の強さに2人は失神し倒れる。
また、呆然としているカガリの前に不機嫌そうなシンと無表情なレイが現れた。
「ハー、危ねーところだった。超腹黒とクソ真面目に危く騙される処だぜ。アンタ」
「騙す?」
シンの言葉が飲み込めないカガリはやはり首を傾げている。
「シンの言う通りです。貴女はあの2人の口車に乗せられて身を危険に晒していました」
顔色一つ変えずに言うのはレイ。
「でも、俺らが来たからにはもう大丈夫だ。その…なんだ…アンタの誕生日だから、アンタの希望に応えてやる//」
「ええ…俺達は貴女の願いを優しく、時に激しく叶えてみせます」
やや言葉の意味は解りにくいが、中身はアスランやイザーク達と変わりない。
徐に、シンとレイはそれぞれカガリの手をとり恋人繋ぎをして歩きだす。
そこへまたまた、ハロが飛んでくる。
水色ハロと黄緑色ハロがシンとレイの頭に見事直撃。
「んげっ!!」
「ぐはっ!!」
衝撃の強さに2人は失神し倒れる。
またまた、呆然としているカガリの前に愛らしく笑うアウルと仏頂面のスティングが現れた。
「大丈夫だった?危険な目にあってない?」
「危険な目?」
アウルの言っている事が解らないカガリはやっぱり首を傾げている。
「呑気なもんだな。そんなんだから、あんなガキに言いくるめられるんだよ」
元より細い目を更に細めて言うのはスティング。
「でも、もう大丈夫。僕達がカガリの誕生祝いを盛大にしてあげる。ただ、あんまり激しくて足腰立たなくなっちゃうかもしれないけどね♪」
「ったく、アウル。そんなガッつくなって……でもまあ、お祝いだからな。期待しとけ」
今まで一番ストレートにいかがわしい言葉遣いを使っているが、カガリは鈍すぎて理解してない。
徐に、アウルはカガリの手をとって腕組みし、スティングは首に手を回して歩き出す。
そこへまたまたまた、ハロが飛んでくる。
黒ハロと鷹マーク入りハロがアウルとスティングの脳天に見事直撃。
「わぎゃっ!!」
「がはぁっ!!」
衝撃の強さに2人は失神し倒れる。
またまたまた呆然としているカガリの前に優雅な微笑みを浮かべるデュランダルと朗らかに笑うフラガが現れた。
「御無事で何よりです。我が姫」
「無事?」
デュランダルの言葉の意味を把握出来てないカガリはやっぱり首を傾げている。
「全く危機感ねぇな…だから、クソガキ共が調子付くんだ。気をつけないといけないぜ、嬢ちゃん」
穏やかに注意をするのはフラガ。
「けれどもう、何も心配入りません。私達が艶麗で淫靡な誕生祝いをしてさしあげます」
「難しい言葉を使ってんな。まぁ、ようは超快感を味わえるって事。この俺が保証するぜ」
結局の所、野郎共が考えている事は皆同じであるのだが、極端に鈍感なカガリは気付かない。
徐に、デュランダルは姫を導くように手をとり、フラガは肩に手をかけて歩き出す。
そこへまたまたまたまた、ハロが飛んでくる。
ピンクハロがカガリの空いてる手に乗った。
「テヤンデーイ!」
とピンクハロが喋ると、白煙を吹き出した。
「わあっ!?」
「これは!?」
「なんだ!?」
咳き込む3人の元へ長い髪の少女が近付く。
真っ白な世界から的確にカガリの手を掴むと白煙の中から連れ出す。
そして、カガリの手元にあったピンクハロを取り上げ、軽やかな指で操作するともう一度白煙へと放り投げた。
と同時にカガリの手をしっかりと握って走り出す。
訳の解らないカガリは、動力が働く方へと逆らう術すら思い浮かばず連れられていく。
走っている途中、後方で大爆発が起きた。
「えっ!!」
今度は黒煙を上げている状況にカガリの足は必然と止まってしまう。
「気にする事ありませんわ」
誰もが心奪われる笑みを称えて言うのはラクス。
「でも…爆発したぞ……アレ」
「ウフフ……いかがわしいクソオヤジ共を駆除したまで……いえ、それよりカガリさん、あちらで皆さんが誕生日パーティを準備してますの。勿論、来て下さいますよね」
「えっ…でも、あっちにアスランとか皆、倒れてるぞ」
「あちらにはケーキ等をエベレストのように用意してありますの。主役が来て頂けないと私や他の皆さんが悲しみますわ」
水色の瞳に薄く涙の膜を張ってウルウルと見詰める。
この仕草にカガリが滅法弱い事を知っててラクスはやっている。
「…………そうだな。せっかく私の為に用意してくれたのに行かない訳にはいかないよな」
カガリは倒れているアスラン達よりもケーキをとった。
当然の如く、この決断をするのもラクスの作戦通りである。
くたばっている変態野郎共をほっぽらかしてカガリとラクスは仲良くパーティ会場へと向かった。
「ちょっと…遅かったじゃない。待ちくたびれたわよ」
やや怒り気味で言うのはフレイ。
「申し訳ありませんわ。殊の外、害虫が多くて…」
「フーン…で、害虫駆除はしたんでしょうね」
「フフッ、害虫共は互いに潰しあっていまして…始末するのはとても容易かったですわ」
黒い笑みを浮かべながら囁き合うフレイとラクスの姿に一抹の不安をカガリは覚えるが、脳内は既にケーキで支配されていた。
「あっ、カガリ、見っけ!」
後ろから羽交締めしてくるのはミリアリア。
「ミリィ」
「やっと主役のお出ましね…さぁ、着替えに行きましょう」
「えっ!着替え?」
「ええ、そうです。主役は美しく着飾るものですわ」
「このフレイ様が美しく変身させてあげるわ!!」
なんだかんだあって、カガリはやっとパーティ会場に着いた。
ゆっくりとドアを開けると…
「「ハッピーバースデーカガリ!!」」
クラッカーと同時に会場全ての人から祝いの言葉をかけられた。
「あっ、有り難う//」
カガリは、はにかみながらも笑顔でお礼を述べた。
「カガリさん、そのドレスとっても似合ってるわ」
「全くだ。非の打ち所がない」
「カガリ…キレイ…」
マリュー、ナタル、ステラが各々感想を言う。
「超キレイ!流石、姫だわ!!」
「キレイ過ぎて何も言えないわね」
「うん、本当にキレイ。あー、カガリ様がお姉ちゃんだったらよかったのに〜」
ミーア、ルナマリア、メイリン各々が感嘆の声を上げる。
ラクスとフレイ好みのピンクのドレスを着込んだカガリを中心に女子だけのパーティは始まった。
そして……
「君の不運のせいで、この僕が蚊帳の外に追いやられるなんて…」
「その台詞、キラ、そのままおまえに返す」
「……アスランなんか、死んじゃえ!」
「それも、そのまま返す!!」
罵り合うアスランとキラ。
「やっぱりあんないかがわしい事を考えるから、こんな事になるんだ」
「何言っちゃってんの、イザーク。一日は長いんだ。後で、姫さん拉致ってやらしいことしちゃおうぜ♪」
「ええっ!!」
へたれるイザークと諦めないディアッカ。
「ハァ…俺達じゃ、所詮無理な話だったんだ」
「シン…諦めるのはまだ早い。こちらも武装しよう」
「やっ、止めようぜ。そんな事したら俺達が反対に消されるって」
武装するレイと何とか宥めようとするシン。
「いい事思い付いた♪」
「ああ?」
「ステラにカガリを連れ出してきてもらおうよ」
「…アイツ、協力するか?」
「大丈夫、上手くいくって♪」
楽観的なアウルと訝るスティング。
「…………」
「…………」
返答のないただの黒焦げデュランダルとフラガ。
色々ありすぎてついていけない処も多少あったカガリだったが、ラクスとフレイの仕切るパーティを大いに楽しんだ。
Happy birthday Cagalli!!
誕生日おめでとう、カガリ!
オールスターでお祝いです
美味しい処は女子達に
取られました★
2011.5.18