シンカガ編

「trick or treat!」

カガリはドアが開いたと同時に目の前の人物に向かって笑顔で言った。
言われたシンはカガリの小悪魔姿に目を見開いた。

「アンタ!なんて格好してるんだよ!!」
「ん?これか、今日はハロウィンだからな」

カガリはシンの目の前でくるりと一回転してみせる。
ふわりと浮いたスカートから見えてない部分の白い足がちらりと見えた。
見てしまったシンの頬は朱に染まる。

「そんな格好して、バッカじゃないの!」
「む〜、姿形はどうでもいいんだよ。それより、お菓子くれ」
「はぁ?お菓子!?」
「そうだよ!お菓子くれないと悪戯するぞ」

カガリは上目使いで可愛らしく言った。
途端、シンは固まる。

『何だって!!…お菓子くれたら悪戯していいって…マジか、マジで言ってるのか!アスハ!!』

シンは心の中で絶叫した。
カガリの言葉を何処をどうとったらそう聞こえたのか、完全に勘違いをしている。

『悪戯って事は…あんな事やこんな事…まして、そんな事まで…』

シンはもの凄い勢いで妄想する。

『お菓子ならいっぱいあるし、本当に…本当にお菓子あげたらあんな事してもいいのか!?』

シンの妄想は過大に拡がっていた。

「…ン…シンってば、おい、どうしたんだよ」

カガリは必死にシンの体を揺さぶり、意識の覚醒を促す。
呼ばれてシンは妄想状態から漸く意識を取り戻す。

「へっ、あっ…」

シンの眼下にはマントから白い胸が垣間見えた。
妄想上では柔らかく弾力があったカガリの双丘。

「うっ…」

急に口元を押さえるシン。

「シン!どうしたんだ?」

カガリはシンを心配して、シンの体を抱きかかえる。
その時、シンの腕にカガリの胸があたった。
妄想よりも断然に柔らかく脳髄にまでその感触が伝わる。
直後、シンは大量の鼻血を噴出し、床に倒れ込む。

「シン!急にどうしたんだよ!!しっかりしろよ!!」

倒れ込んだシンの頭を抱え、カガリは自分の膝の上に乗せる。
直に伝わる胸とは違う太腿の柔らかさにシンの体は沸騰する。
さらに血を噴出させ、シンの体はぴくぴくと痙攣しだす。

「シン!シンッ!!しっかりしろ!!」

しかし、シン鼻血を出したまま動かない。

「シィィィィン!!!!」





こうしてハロウィンの夜、シンは夢の彼方へと旅立ってしまいましたとさ。










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