ほっぺた

「さみぃ……」

白い息を吐いて手を擦る。
寒空の下、ディアッカは震える。

「寒いって、おまえ。かなり着込んでるんじゃないか」

帽子、手袋、ブーツ、そして、全身を覆うコート。
完全防備のディアッカを見て言う。

「さみぃもんはさみぃって…この肌見たら解るっしょ」

唯一覆われていない褐色の肌した顔を、寒さのせいで赤み掛かっていりカガリの顔に近付ける。

「わたしだって、南国育ちだけど、そこまで厚着してないぞ」

白を基本とした冬服にカガリは身を包んでいる。
姿はまるで雪ん子。

「女の子はちょっと薄着ぐらいがいいの。その方が可愛いから」
「可愛いって…」

やや苦笑いのカガリ。

「まぁ、姫さんは何着ても可愛いけど〜」
「!!//…そんな訳ないだろ//」

寒さ以外で顔を赤くする。
耐えきれず外方向くが、耳は真っ赤になっていた。



寒いと言って外に出たがらないディアッカを無理矢理連れ出し、冬の海辺へやって来た。
冷たい海風に吹かれながら手を繋いで砂浜を歩く。

「はぁー、さみぃさみぃ……カワイイ姫さん温めて♪」

言うと同時にディアッカは抱き付いてくる。

「くっつくなよ!歩きにくいだろ」
「だってさみぃんだもん♪」

楽しそうに笑って自らの頬を愛らしい頬に擦り付ける。

「あったけぇ、姫さんのほっぺた♪」
「離れろよ〜!」
「やだ、柔らかくて、姫さんのほっぺた、気持ちいい〜」
「もう!!」

誰もいない海辺であれ、外でベタベタするのはカガリの趣味ではない。
何とか離れようとするが、力の差は歴然でどうしようもない。
途中で諦めたカガリはディアッカの好きなようにさせた。
抵抗が無くなったのをいいことにディアッカは力一杯抱き頬擦りを強くする。

「あー、でもまだ寒い……」
「どこがだよ」

体をピッタリと抱き締めて、頬をくっつける。
もはや散歩の状態ではない。

「ここが寒い」

くっつけていた頬を離してある場所を指す。

「?」

カガリは意味が解らず、目を何度も瞬きさせる。
逆にディアッカは効果音がニィッとなるくらい妖しく笑うと、白い息を吐く唇に吸い付いた。

「ん!?」

驚いて目は限界まで開かれ橙の瞳は零れ落ちそうになる。
離れようとするがガッチリとホールドされており全く動けない。
軽くないフレンチキス。
冷たかった唇は急激に熱を持ち出す。
呼吸を止められたカガリは力が抜けてディアッカによりかかる。
そして、ひょいっとそんなカガリを容易く持ち上げる。

「ディアッカ!?」
「やっぱ、俺は寒いの苦手だわ。暖まる事しよ、お・う・ち・で♪」




キスをメインにしたお話、第6弾
ベタベタ甘々ディアッカ♪

2010.12.20










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