カガリ様

窓から朝日が射して夜明けを知らせる。
眠っているカガリは眩しい光に耐えられず、頭まで布団を被り光を遮る。
再び周りが暗くなった事で、カガリはまた夢の中へと旅立とうとしていた。

「カガリ様、朝です。起きて下さいませ」

金の髪を靡かせて優しく声をかけるのは、カガリの専属執事レイ・ザ・バレル。

「う〜ん…眠い……もう、ちょっと…」
「いけません。起きないと学校に遅刻してしまいます」

レイは布団を軽く揺らし起床を促すが、カガリは一向に起きる気配はない。

「……後、5分だけ寝かせて〜…お願い…」

とろりとした目で懇願した後、くるりとレイの居ない方へ寝返るとカガリはまた寝始める。

「…スゥ〜……ZZZ…」

可愛い寝息を立てて本格的に眠り出すカガリ。
寝起きの良くないカガリの姿にレイは小さな溜息を吐く。
けれど、最高級執事を誇るレイはカガリを一言で起きさせる魔法の言葉を持っていた。
改めて、レイはカガリの傍に立ち耳元に綺麗な顔を寄せる。

「カガリ様、起きて下さい」

再び、同じ事を言うレイ。
しかし、カガリは微動だにしない。



「起きて下さい。起きないと…





 襲わせて頂きますよ」



カガリには見えないが、レイは誰もが目眩を起こしそうな微笑で言い放った。
それまで布団から一向に出てこなかったカガリが、レイの言葉で物凄い勢いで起き上がった。
顔はまだ寝ぼけてはいるが、目はパッチリと開いている。

「おはようございます。カガリ様」

レイはカガリの顔を覗き込んで朝の挨拶をした。

「……ん、おはよ…」

のそのそとベッドから立ち上がるカガリ。

「朝食の用意は出来ております。さあ、お顔を洗いに参りましょう」

ぼうっと立ち尽くしているカガリの手を引いて、レイは洗面所へと導く。
完全覚醒していないカガリはふらふらしながら進む。
そんなカガリにレイは覚醒させる為、また、魔法の言葉を使う。

「眠そうですね。カガリ様」
「…ん〜…」



「いつ眠っても構いませんよ…





 襲う準備は出来ておりますので」



目をこすりながら歩いていたカガリだったが、急に確かな足取りで洗面所へ走り出した。
その後ろ姿をレイは少しだけ憂いの顔で見送る。



「…本日は襲えなくて……
 ……残念です」




『メイちゃんの執事』を
見て思い付いたまま
パロってみました♪
レイの黒さを感じて
頂けたら嬉しいです★

2009.1.16
2010.10.29移転










人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -