煙草

紫煙はゆらゆらと立ち上ぼり、辺りの空間に漂う。

「アスラン先輩って、煙草似合いますね」

露出の高い服を来てアスランの真横に座っているのは、桃色の髪が印象的なミーア。
アスランの腕に手を絡めて、自らをアピールする。
今日は新入生歓迎コンパ。
アスランは興味なかったが、サークルの先輩ディアッカに客寄せパンダとして無理矢理連れて来られた。
仕方なく、隅の方で黙々と煙草を吸っていた。
そんな彼に声を掛けたのが、新入生のミーアだった。

「そう?」

目だけミーアを見て覇気なく応えた。
絡められた手を払い除ける事なく、ただ、煙草を吸い続ける。
反応が余りにもない為、ミーアは体をさらに密着させて擦り寄る。
今まで、この方法で落ちなかった男いない。
自分の体に絶対の自身を持っていた。

「ねぇ、アスラン先輩はこの後、用事ありますか?」

自慢の胸を擦り寄せて猫撫で声で聞く。
アスランはミーアを見る事なく吸い殻を灰皿に捨て、新しい煙草を取り出し火を点ける。

「あるよ」
「へっ?」

ミーアはあまりの事に素頓狂な声を出す。

「今、暇つぶし中だから」

アスランは不敵に笑う。
綺麗な顔にミーアは思わず見惚れる。
その刹那、コンパの会場に大きな音と一緒に一人の女性が現われた。
彼女は急いできたのか、息を切らしてその場に立ち尽くしていた。
皆が固まっている中、彼女に一人だけ近付く人物がいる。
さっきまで、ミーアの横にいたアスランだった。

「一分、遅刻」
「え〜!?時間通りだろ!」

アスランに軽く笑いながら指摘された彼女は、慌てて時間を確認しようとする。
けれど、それは出来なかった。

「遅刻したから、お仕置」

そう言って、アスランは彼女を抱き寄せてキスをしたから。

「はぁ…毎回、毎回、見せつけてくれるな」

とディアッカが口を挟む。

「それじゃ、そういう事で」

アスランは彼女の肩を抱いて出て行ってしまった。
ミーアは慌てて、ディアッカの元に詰め寄る。

「ちょっと!あの金髪の人、誰ですか!?」
「えっ?あの子?アスランの彼女」
「嘘!!」
「ホント。毎回、コンパに来たら迎えにこさせて見せつけるんだよ。アイツ」
「何よそれ!!」

ミーアは憤慨する。

「いいよな〜。俺もあんな可愛い彼女欲し〜」

ディアッカはしみじみ呟いた。




完全な思い付き作品
本当は煙草好きのアスランと
煙草嫌いのカガリの関係を
書きたかったのに
違う方向にいってしまいました(笑)

2008.12.5
2010.10.29移転










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