キラカガ編

「ニャリック ニャア ニャリート!」

カガリはドアが開いたと同時に目の前の人物に向かって笑顔で言った。
言われたキラはカガリの黒猫姿をじっと見る。

「…その黒猫姿、似合ってるね」
「そ、そうかにゃ//」
「うん、とっても可愛いよ」
「恥ずかしい事言うにゃよ」

カガリは羞恥のあまり外方を向く。
全身の肌が仄かに赤く染まっており照れているのは間違いない。

「確か、お菓子を渡すんだったね」
「そうにゃ、お菓子くれにゃいと悪戯するにゃ!」

カガリは上目遣いで衣装似合った言葉遣いで微笑む。
可愛らしい動作にキラは固まってしまう。

「キラ?」
「あっ、ごめん。カガリの仕草が余りにも可愛いから見惚れてた」
「にゃっ//、バカァ!」

キラの言葉にカガリの顔は真っ赤に染まる。

「そんなに照れる事ないのに…あっ、お菓子、部屋の中にあるよ」




テーブルには飴やチョコなど駄菓子類が沢山置かれている。
キラはその中の1つを手に取った。
包装紙と捲って中身のチョコをカガリに見せる。

「あ〜んして」
「うにゃあ?」
「だから、あ〜んして」

漸く意味を知ってカガリは口を開ける。
そこへ、小さなチョコを入れられた。
口内に甘い感覚が広がってカガリは美味しく飲み込む。
それを見届けたキラの瞳が妖しく光る。

「チョコ、食べたよね」
「うにゃ」
「trick or treat!」
「ふにゃっ!?」
「お菓子くれないと悪戯しちゃうよ」
「にゃにゃっ!!」

キラの言葉に今度はカガリが固まってしまう。
目だけキョロキョロ動かして、先程から一緒にいるにも拘わらず一言も喋ってないラクスに目を止めた。

「ラクス!お菓子持ってにゃいにゃか?」
「いいえ、1つたりとも持っておりません」
「そ、そんにゃ、それじゃ4年前と同じ展開ににゃっちゃうにゃ!」
「大丈夫、同じ展開にはしないから」
「んにゃ?」
「悪戯じゃなくて、カガリというそれはそれは甘〜いお菓子を食べるだけだから」

言い回しに4年前よりヤバい展開になりそうだと察したカガリは逃げようと踵を返す。
が、両肩をガッチリと捕まえられる。

「どこへ行くの、カガリ?」
「どこへ行かれるのですか、カガリさん?」

声を綺麗にハモらせて同じような天使の笑みを浮かべるキラとラクス。

「うにゃあ!!ラクスは私の味方じゃにゃいにゃか?」
「ええ勿論、カガリさんの味方ですわ」
「だったらっ!!」
「それと同時にキラの味方でもあります」
「にゃんだって!!」

心底驚くカガリを尻目にひょいっと抱き上げる。

「にゃあ!?」
「はいはい、大人しくしてね。僕の黒猫ちゃん♪」

キラは意気揚々とカガリを寝室へ運びぽふりとベッドへ下ろす。
シーツの白とカガリが纏っている黒猫衣装のコントラストがよく映える。

「にゃあーっ!!ラクス、助けて欲しいにゃ!!」

切羽詰まった声でカガリは叫ぶ。

「ああ、カガリさんの望みを叶えてあげたいのは山々ですが…それは出来ません」
「どうしてにゃっ!!」
「黒猫カガリさんは、最初からキラに捧げる予定でしたの」
「にゃ、にゃにぃっ!!」
「そういう事なんだ。だから、美味しく食べられてよね」
「そんにゃああっ!!」

完全に嵌められていた事に憤りつつもカガリは何とか逃げようとじたばたする。

「あっキラ、その衣装作るのにとても時間が掛かりましたの。それに出来もすんばらしくて…破っちゃダメですわよ」
「解ってるよ。せっかくの黒猫カガリなんだもん、脱がさず食べるつもり」
「まぁ、流石はキラ。よく解ってらっしゃいますわ」
「んにゃあっ!?ラクス!手ににゃにを持ってるにゃっ!?」

今までバズーカを持っていた右手には明らかに質量の違うモノがあった。

「これは最新鋭高性能のフルハイビジョンビデオカメラですわ。この為に買いましたの」
「そんにゃモノ買うにゃ!!」
「勿論、僕用にダビングしてくれるよね」
「ウフフ、当然ですわ。永久保存版ですもの」
「んにゃああああっ!!」

カガリの悲鳴はどこまでも高くそして虚しく響いた。




Halloween2011は
全てこのオチの為フリ
と言っても過言ではありません★

Halloween2007を主軸に
リメイクした作品です

完全新作はアウカガ編だけですね

↓おまけの妖精ラクスバズーカ仕様です★
2011.10.31










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