ギルカガ編

「trick or treat!」

デュランダルがドアを開けてみれば、いきなりバズーカを構えられていた。

「こ、これは一体、どういう事なのですか?」
「ウフフ、4年前の出来事、忘れた訳ではありませんわよね」
「……何故、貴女がここに?」
「勿論、カガリさんを獣から守る為ですわ」
「獣とは、誰の事ですか?」
「貴方以外にいまして?」
「誤解です。4年前のあれは…所謂、悪戯ですよ」
「フン、まぁ、いいでしょう。所詮は4年前の出来事ですからね」
「はぁ、そうですか……で、姫はどこにおられるのですか?」
「…カガリさんにお会いしたいのですか?」
「当然ではありませんか」
「そうですか…だったら、高級菓子折り持ってこいやっ!!」

ラクスからの恐喝的な要求にデュランダルは渋々家の奥へと入っていく。
そして、戻ってきたその手にはそれは高そうな高級菓子折りが何個かある。
それをきっちり受け取るラクス。
しかし、デュランダルは菓子折りから手を離さない。

「手を離して下さいません?」
「嫌です。そのまま、持ち逃げする算段でしょう?そうはいきません。姫を早く連れて来てもらいませんか?それまで、これは渡せませんよ」

睨み合う竜虎、ではなくラクスとデュランダル。

「チッ!仕方ありませんわね…カガリさ〜ん」

軽い舌打ちと共にカガリを呼ぶ。
すると他の家の影からひょっこりと顔を出す。

「うにゃ、ラクス、お菓子貰えたにゃか?」
「はい、此方にいらして下さい」

ピョコピョコと歩いて2人の元へ行くカガリ。
ラクスとデュランダルが持っている高級菓子に一瞬で目を奪われる。

「うにゃにゃ!凄いにゃ!高そうなお菓子にゃ!!」
「ええ、中々手に入らない品々ですわよ」
「これ、くれるにゃか?」

何度も瞬きして大きな瞳で見上げる。
黒猫カガリに心奪われない者などいない。

「//…ええ、勿論です。姫の為に用意したのですから」
「ありがとにゃ♪」

菓子折りを大事そう抱えるカガリ。
デュランダルがたまらず触れようとした手をラクスが払い落とす。

「カガリさん、もう用は済みましたわ。先に次の家を目指して下さいな」
「了解したにゃ」

嬉しげにデュランダルの家を後にする。
離れていくカガリに何とか引き止めようとデュランダルが手を伸ばす。

「待って下さい、姫!まだ、お菓子は沢山あります。是非、家の中へっ!」
「黙らっしゃいっ!家の中へ連れ込み悪戯という名の如何わしい行為をなさるつもりでしょ」
「ぐっ……」

図星らしく押し黙る。
壁として立ちはだかったラクスはニヤリと笑ってバズーカを構える。

「カガリさんに悪戯してもいいのはこの私だけじゃ!くたばりやがれっ!コノヤローッ!!」
「ンギャアアァッ!!」

4年前のお仕置きの恨みを込めて、ラクスはデュランダルをあの世へと送った。










人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -