シンカガ編

「ニャリック ニャア ニャリート!」

カガリはドアが開いたと同時に目の前の人物に向かって笑顔で言った。
言われたシンはカガリの黒猫姿に目を見開いた。

「アンタ!なんて格好してるんだよ!!」
「んにゃ?これか、今日はハロウィンだからにゃ」

カガリはシンの前で猫のポーズとってみせる。
見れば見る程、隠されている部分が、少なすぎて目のやり場に困ってシンの頬は朱に染まる。

「そ、そんな格好して、バッカじゃないの!」
「む〜、姿形はどうでもいいんだにゃ。それより、お菓子くれにゃ」
「はぁ?お菓子!?」
「そうにゃ!お菓子くれないと悪戯するにゃ」

カガリは上目遣いで衣装に合った言葉遣いで微笑む。
途端、シンは固まった。

『何だって!!…お菓子くれたら悪戯していいって…マジか、マジで言ってるのか!アスハ!!』

シンは心の中で絶叫していた。
カガリの言葉を何処をどうとったらそう聞こえるのか、完全に勘違いをしている。

『悪戯って事は…あんな事やこんな事…本当にお菓子あげたらあんな事してもいいのか!?』

シンの妄想は多大に広がっている。
ガチャリ。
特異な音がシンの耳に入ってきた。
チラリと真横を伺えば、妖精コスしているラクスがバズーカと構えていた。

「ええっ!?」
「ウフフ、4年も経っているのに全く成長なさってませんのね」
「そ、そんな事は…」
「貴方が脳内で繰り広げている如何わしい妄想が手にとるように解りますわ」
「いやや…そそ、そんな妄想してません!!」
「正直、貴方がどんな妄想をしようが貴方の勝手です」
「……だったら…」
「ていうか、妄想してる暇があったら、とっと菓子もってこいや!コノヤローッ!!」
「はいっ!すいませーんんっ!!」

シンはダッシュで家の奥に入り、手に抱えきれるだけのお菓子を持って玄関に戻った。

「うにゃあ〜、お菓子が一杯にゃあ♪」

カガリは嬉しそうに用意していた袋へ菓子を詰め込んでいく。
動作毎に揺れる胸に男として目がいくシンなのだが、真横に笑顔で背後に鬼を背負ったラクスに怯えていた。
持っていた袋に丁度全ての菓子が入ったのでカガリは満足そうに笑う。

「シン、ありがとにゃ」

サンタクロースのように袋を背負ってシンの家を後にする。

「では、失礼致しますわ」

バズーカを下ろしてラクスもカガリの後を追う。
その途中でくるりと振り返る。

「この後、貴方がどんな妄想を繰り広げても咎めたりは一切致しませんわ」
「は、はぁ…」
「ウフフ、右手が恋人の貴方の事です。どうせこの後、部屋に籠もってカガリさんの愛らしいにゃんこ姿でピーをピーしてピーなさるんでしょ」
「ギャアッ!!さらりと放送禁止用語放り込んでくるの止めてくれ!!」
「あら、なにカマトトぶってらっしゃるの?本当の事でしょ」
「そんな事言われて、そんな事出来る訳ないでしょ。つーか、アンタ、バカだろ。ぜってー、バカだっ!!」
「まぁ…この私をバカ呼ばわりするなんて…せっかく、ピーする許可して差し上げましたのに…余程、コレを喰らいたいらしいですわね…」

ガチャリと、下ろしていたバズーカを構え照準を合わせる。

「くたばれっ!このクソガキィ!!」
「ギエェェッ!!」

轟音と共にラクスはシンもあのへと送った。










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