アスカガ編


「ニャリック ニャア ニャリート!」

カガリはドアが開いたと同時に目の前の人物に向かって笑顔で言った。
言われたアスランはカガリの黒猫姿に目を丸くさせ呆然とカガリを見詰めていた。

「にゃんだよ、反応しろにゃ」

何の反応も返さないアスランにカガリは頬をぷくりと膨らまし口を尖らせる。

「ゴメン」
「まぁ、いいにゃ。そんにゃ訳でお菓子くれにゃ」
「お菓子?」
「そうにゃ!お菓子くれにゃいと悪戯するにゃ」

カガリは上目使いで衣装に合った言葉遣いで微笑む。
アスランは可愛らしいカガリの姿に一瞬で心を射貫かれた。

「…お菓子…ないんだ」
「え〜、そんにゃ…」

カガリはがっかりして項垂れる。
だから、見えていなかった。
アスランの行動が…



「4年前と全く同じ行動で呆れて物も言えませんわ」

服を脱ぎかけているアスランの真横の至近距離でバズーカを構えてるのは妖精コスプレをしているラクス。
その衣装に似合わない瞳は絶対零度を漂わせている。

「ラ、ラクス…なぜ、貴女がここに?」
「あら、あのすんばらしく愛らしい衣装は私が一針一針、魂を込めて作りましたの。ハロウィンを一緒に回ろうと思いまして」
「それはそれは…あの衣装に感服しきりでございますよ」

ラクスから伝わってくる冷気に凍えながら返答しているせいか、アスランの言葉遣いがおかしい。
それを気に止める事なくラクスは冷気を完全に消して、いつものほんわか優しい笑顔をカガリに向ける。

「カガリさん、アスランはお菓子を1個たりとも持ってないようですわ」
「うにゃ、そうらしいにゃあ」
「此処にいても成果は上がりません。他の方の所へ向かいましょう」
「解ったにゃ」

かわゆい顔で素直に答えたカガリはあっさりとアスランからの菓子を諦め次の目的地へ行く為、アスランの家を後にする。
尻尾を振りながら遠ざかっていくカガリの姿が完全に見えなくなれば、ラクスの全身から再び絶対零度の冷気+恐ろしくも黒いオーラを出してアスランを見詰める。

「4年経過したにも拘わらず、貴方は全く成長してないのですのね…」

声色と目つきの変わったラクスにアスランは恐怖に戦く。

「えっ…あ…いや、その…」
「今回は警察沙汰には致しませんわ。警察の方が真っ裸のゴミ掃除するなんて大変ですからね。そんな訳で、今此処で息の根止めてやるわ!このデコハゲがぁっ!!」
「ウッギャアァァッ!!」

構えていたバズーカをぶっ放してラクスはアスランを見事にあの世へと送った。










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