ディアカガ編

お昼休み、ディアッカとカガリは屋上でお弁当を食べていた。
そこで発せられたとある一言。

「なぁ、ディアッカ」
「ん?」
「キス好き?」
「えっ!?」

質問に驚き一瞬にして固まる。
一方のカガリは小首を傾げながら答えを待っていた。

「超好きだぜ!」

ディアッカは明朗快活に答えた。
すると、カガリは花が咲いたかのように笑う。

「そっか、よかった。明日、楽しみにしててくれよな」



そのまま次の日を迎えると思ったが、ディアッカは殊の外頭の回る男だった。

「ちょっ、待ったぁ!!」
「んっ、何だディアッカ?」
「キスって…もしかして、魚の鱚?」
「うん、そうだぞ」
「やっべぇ、俺、危く騙されるとこだった」
「キス、嫌いなのか?」

カガリに改めて聞かれる。
ディアッカは即答せず、じっくり考えた。

「うーん……好き」



次の日。
そして、待ちに待った時間が訪れる。
昼休み。
誰もいない屋上。
カガリが調理してきた鱚料理達を、床に腰を降ろして仲良く並んで座り美味しく食べる。
食べてさせてもらいディアッカ的に、それはとても楽しいランチの一時。
けれど、ふと思う。
もしかして、勘違いしたままの方が、昨日1日無駄にドキドキしたり、妄想したりと楽しめたのではないだろうか。
ちょっとだけ後悔した。

「ディアッカ?」
「ん?」
「美味しくないのか?」
「なんで?」
「だって、黙り込んでるから…」
「そんな事ねぇよ。超旨いよ、最高ぅ!!」
「ホントかっ!」
「毎日でも姫さんの愛妻弁当食べたいぜ!」
「ハハッ、毎日は無理だよ。朝、起きるのは大変だからな」

さらりと告白を交わしてしまうカガリにかなりガックリとしながらも、ディアッカは今ある幸せの時間を楽しむ事にした。




通称勘違い編の
ディアカガバージョンです

2011.6.26










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