凶暴な犬にご注意






「はい、雨瀧さん。口開けて」



 目の前が、真っ暗。黒い布で目元を覆われているから、何も見えない。そんな中、茜柿の声が聞こえてくる。スイはそれに従って……そっと、口を開けた。



「あーん。ご飯ですよ。おかゆとかなら、食べやすいでしょ?」



 口の中に、暖かいものがはいってくる。おそるおそる咀嚼すれば……それはたしかに、おかゆだった。

 ――スイの体は、柱に縛り付けられていた。手首は頭上にまとめられ、脚は開脚され……裸の状態で。このような状態になってからどのくらい経ったのか、スイは把握できていない。食事が10回ほど与えられたから、3日くらいだろうか。

 食事も、排泄も、睡眠も。何もかもを茜柿に管理されて。なぜこんなことになったのか、スイはもう覚えていない。たしかいつものように茜柿に部屋に誘われ、激しすぎる抱かれ方をして意識が飛んで……目が覚めたら、こうなっていた。それからというものの、食べる時と寝る時以外は茜柿に「子づくり」と称した交尾をずっとされているから、体が限界に近づいていた。



「はい、ごちそうさまですね、雨瀧さん。じゃあ、子づくり、しましょうか」

「もう、……むり、……」

「あ、その前にお尻のなか、洗わないとですね。古い精子を流さなきゃ。今日もいっぱい俺の種つめこむんですから」

「あ、……や、だ……もう、あれ、やだ……」



 茜柿はにっこりと笑って、スイのお尻の穴をつんとつついた。ひくん、とヒクついたそこから、とろ……と白濁がこぼれてくる。

 スイがいやいやと首を振っているのも無視して、茜柿はあるものを持ち出した。たっぷりのぬるま湯がはいった、吸い飲みである。茜柿は注ぎ口をゆっくりとスイの孔に近づけてゆくと……つぷ、となかにいれてしまった。



「はーい、いれますよー、雨瀧さん」

「いやぁ、……あぁ……」

「うーん、はいっていってますね、雨瀧さん。いいこいいこ」



 とくとく……とぬるま湯がスイのなかにはいってゆく。一気にこみあげてくる排泄感に、スイは唇を噛んで我慢してしたが、無情にもぬるま湯はすべていれられてしまった。



「はい、なかでお湯をかきまわしますよー、雨瀧さん」

「ひっ……い、や……おなか、触らないでっ……ひぅっ……」



 茜柿がスイの下っ腹に手のひらを添えて、内臓を揺さぶるようにして体を揺する。ゆっさゆっさと体を揺さぶられて、スイのなかにそそぎ込まれたぬるま湯がたっぽんたっぽんと揺れていた。

ぬるま湯が肉壁を叩くたびにぎゅうんと排泄感が襲ってきて、スイのこめかみからは冷や汗が垂れてくる。



「はい、じゃあ、だしましょうね、雨瀧さん」

「いやだ、っ……や……やだ、……」

「出しなさい、雨瀧さん」



 十分になかを洗えたと捉えた茜柿は、今度はスイの孔の前にトレイを置く。そこに、ぬるま湯を出せといっているのだ。もちろん、孔から出す液体なんて見られたくないスイは嫌だと懇願したが……茜柿が許すわけがない。茜柿は我慢を続ける孔に向かって……パァン!と平手を振り下ろした。



「ほら、出して。雨瀧さん。ほら、ほら」

「ぁひっ……! あっ……ひぐっ……! あぁっ……あっ……」

「ほら、ほら、出せって。雨瀧さん。ほら、言うこときいて。俺の子を孕まないとなんだから俺の命令に絶対服従。ほら、ほら!」

「ひぃっ! いやっ……いやぁっ!」



 茜柿がスイの乳首を根本からぎゅううとつまみ上げる。そしてそのまま、パン!パァン! と何度も何度もスイの股間をぶち続けた。



「あっ、ひぃっ――アッ! ひぎぃっ……!あぁっ……!」



 乳首と、孔を両方刺激され。開発されたスイの体は我慢をすることなどできなかった。お尻の孔がぎゅーっと熱くなり、ビクビクッ! と激しく痙攣する。そして脱力したように孔から力が抜けていって……ひくっ、ひくひくっ、と孔が疼いてちょろ……と少しだけ液体が垂れてきてしまった。



「ふふ、いいこ、雨瀧さん……!」

「ひっ――あぁああぁあああっ――……!」



 そんなスイの垂らした液体をみた茜柿は、嬉しそうに笑った。

 そして、ぐんっとスイがのけぞるほどに強く乳首をひっぱり、バシン! と強くアソコを叩く。その瞬間、スイの我慢は決壊し――孔から、ぷしゃーっ、と勢いよく液体が飛び出てきた。



「いやぁあぁあ……みないでぇ……!」

「ええ? なんだって? ほら、最後まで出してくださいよ」



 くく、と笑って茜柿はスイの背後に回ると後ろからスイの尻たぶをがしりと掴んでぐいぐいと大きく揉みしだいた。尻に刺激を与えられ、余計に我慢のきかなくなったスイの孔は、ぷしゅぷしゅと液体を吹き出し続ける。

 でてくる液体は、乳白色。つめこまれた茜柿の精液が混ざっているのだろう。茜柿は全部でてきた液体をみて満足げに笑うと、ぐったりとしてしまったスイの耳たぶを、軽く噛む。



「綺麗になりましたね。さあ、今日もいーっぱい俺の種いれてあげますからね。俺の赤ちゃん……早く、孕んで?」

「や、……もう、だめ……だめ……」



 茜柿の声に、スイの全身がゾクゾクとふるえる。昼夜問わず茜柿に犯され続けたスイの体は、もう茜柿のペニスが欲しくてたまらない仕様になっていた。「茜柿の種」と聞いた瞬間に、アソコがびくびくと痙攣し、孔がくぱぁ……と開いてゆく。

 再び茜柿はスイの正面に周り……腰をがしりと掴んだ。そして、いきりたったモノを孔の入り口に押しつけると……ズブンッ! と勢いよく最奥を貫く。



「あひぃっ――!」

「はぁー……雨瀧さんのナカ……たまんね……俺の種ちょうだいちょうだいって言ってる……」

「だめぇっ――おくっ、……おく、だめぇっ……イクっ! イっちゃう……!」



 ずんっ、ずんっ、と茜柿は容赦なくスイを突き上げる。スイは白い肌を桃色に染め、乳首をつんと上向きに勃たせ、全身で悦びを表現しながら甲高い声をあげていた。体を揺さぶられるたびにビンビンになったモノからぴゅく、ぴゅく、と潮を吹いて、ひっきりなしに喘ぎ続ける。



「はい、雨瀧さん。俺の子供できるよ。俺の子供孕むんだよ。雨瀧さんは俺のつがいなんだよ、ね、雨瀧さん」

「あっ、あっ、あっ、あっ、あっ」



 茜柿は舌なめずりをして、うっとりとスイを見下ろした。

 完全に自分に屈服したスイ。このまま、スイを自分のものにしてやりたい。最高に可愛い。俺だけのメス、最高に愛おしい。



「ほら、今日一発目。だすよ、雨瀧さん……だすよ、雨瀧さん、赤ちゃん孕んで……!」



 何度も何度もスイを突き上げて、茜柿の絶頂が近づいてきた。無我夢中で腰を振る様は、さながら獣のよう。

 なかで茜柿のものがびくびくとふるえるのを感じ、スイの体は茜柿の種がくると悦びの声をあげた。なかがぎゅううっと痙攣し、スイの頭が真っ白になってゆく。



「いやぁあっ――……! 赤ちゃんできちゃうぅ……!」



 どびゅっ、となかに茜柿の種がそそぎ込まれた瞬間、スイのものからはぶしゅーっ、と激しく潮が吹き出した。あまりの快楽に、スイの意識は徐々に薄れてゆく。



「赤ちゃん……茜柿の、赤ちゃん……できちゃう……あぁ……」



 虚ろげに、つぶやくスイ。茜柿はそんなスイをみて、子供のように頬を染めて喜んだ。スイの意識がやがて完全に飛び……それでも、茜柿は腰を振り続けた。



***



「あれ……」



 目を覚ますと、そこは暖かい布団のうえだった。ずっと暗い闇の中にいて、そして犯され続けていたのに……。

 目隠しもされていない、目に飛び込んできたのは久しぶりに感じる光景。



「せ、先生……?」



 スイがいたのは、高嶺の部屋だった。高嶺はいつものように隅の机で執筆作業をしていたが、スイが目を覚ましたのに気付くと振り返る。



「……起きた?」

「あ、あれ……先生……俺……」



 わけがわからないといった様子のスイに、高嶺はため息をつきながら近づいてきた。布団のそばで腰を下ろすと、ぽんぽんと頭を叩いてくる。



「茜柿と戯れるのもいいけれど、僕のお手伝いができないのはだめだろう」

「あ、はい……すみません……」

「君がどこにいったのかと思って探したら……。茜柿は叱っておいたけど、君も僕の弟子なんだから、気をつけて」

「……はい」



 ……茜柿の部屋から、高嶺に連れ出されたらしい。

 スイは、ほっとしたような、少し残念なような……そんななんともいえない気持ちになった。

 あのまま、茜柿と子づくりをし続けていたら……どうなったのだろう。そう考えると、あのまま監禁され続けるのも悪くなかった、そんな気がしてきてしまう。



「……先生。あのまま……俺、茜柿に抱かれ続けていたら、……どうなっていたんでしょうか……」



 スイは虚空を見つめながら、高嶺に問う。

 高嶺はそんなスイの言葉を聞いて、そっと目を閉じた。そして、唇に薄く弧を描き。

 答える。



「さあ……。少なくとも、自殺はしないですむんじゃない?」



茜柿の章



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