随筆…弟子入り


 この時代、作家になりたいのであれば尊敬する作家さまに弟子入りするというのが主流でした。ですから、私は清水の舞台から飛び降りる気持ちで、崇拝するほどに大好きな作家・高嶺嗣郎 (たかみね しろう)さまに弟子入りのお願いの旨を綴ったお手紙を送ったのです。

 そうして待つこと数日。もしかしたらこれで私の一生の運を使い果たしたのではないかと、天にも昇る心地でした。驚くことに、高嶺さまからお返事が……しかもそこには私の申し出を受け入れていただけると、そう記してあったのです。


雨瀧 スイ 著「恋綴り」から引用



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