随筆…はじめに


 指先から想いを編んでゆく――執筆という作業に魅入られたのはいつからでしょうか。インクの匂いとペン先が原稿を掻く音が心地よくて、気付けば完成していた私の作品。それを読んでくれた方々から送られる言葉はどれもとても嬉しくて、常に僕の胸の中で彼らの言葉がくるくると回っていました。きっと、それは私にとってなによりも素敵なことなのでしょう。いつからか私は、本格的に作家というものを目指し始めたのです。


雨瀧 スイ 著「恋綴り」から引用



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