きけん
 実際のところ3人も風呂に入れば時間がかかり、全員が入り終わるころにはそれなりに遅い時間になっていた。とりあえずすぐに寝れるようにと三人は沙良の部屋に移動する。沙良としては「とりあえず」というよりは早いところ寝させたいという気持ちが強かったため、クッションやら毛布やらを部屋に持ち込んでベッドからはみ出る一人用の寝床も作ってやった。


「寝床じゃんけんしましょう。二人はベッド、一人はその簡易布団」

「え、マジですぐ寝んの?」

「寝ないんですか……」

「えー、せっかくだから積もる話でもしようぜ」

「なんです……積もる話って」


 寝ようと沙良が促せば鑓水が抗議する。まあ、雑談するくらいならいいかと沙良はそんなに拒絶はしなかったが……


「……鑓水先輩。さりげなく波折先輩の肩抱くのやめてもらえますか」

「ん? ああ、悪い悪い、癖で」


 簡易布団の上で、鑓水は波折の肩を抱いていた。俺のもんだ、と主張するようなそれに、沙良はイラッときて釘をさす。そうすれば鑓水は波折を解放はしたが……何やらにやにやとしていて。


「お風呂あがりの波折ってさ、だきまくらにしたくなるよね」

「あー……わかります……じゃなくて!」

「こう……めっちゃ可愛いんだよ。ぎゅってしてやりたくなる」

「うん、それもわかります……でもなくて!」

「そうそう、だから二人で抱いてやろうか」

「それいいですね……ってなにィ!?」


 鑓水がぎゅ、と波折の両肩を持つ。波折が「ん?」と目を瞬かせていると、鑓水が波折の頭を撫で撫でとしながら言う。


「今日頑張った生徒会長に、副会長からお疲れ様してやろう!」


 ……鑓水の意図することはわかる。3Pしようぜと言っているのだ。正直、沙良はこの展開を予想していた。以前それに近いことをやったときにどうにも慣れなくてもやもやとしてしまったから、やりたくないと思っていた。波折の意識が自分以外にも向いてしまうのがなんだか悔しくて、集中できないのだ。


「いやいや、鑓水先輩ちょっとまって、ほら、波折先輩だって困ってるでしょ」

「……ん、」

(困ってなさそうだなぁ……)


 沙良が鑓水を諭そうとそう言ってみれば、波折は微かに顔を赤らめて沙良から目をそらす。そういえば前にしたときにかなり気持ちよさそうにしてたもんな……と沙良は苦笑い。


「波折もよ、したがってるから。なあ、波折?」

「……んー、」

「ほら、したいって」


「……」


 なでこなでこ。頭を撫でられながら鑓水に問われて、波折は気を良くしたようにふにゃ、と笑う。あーもー可愛いな、ちくしょうこのビッチめ! と沙良は心の中で毒づいて、そして諦めたようにため息をついた。


「……いいですよ、じゃあやりましょう!」

「お、いいねノリいーね!」



 半分やけになって、沙良は3Pを承諾した。3Pなんて不健全なイメージしかないから、大好きな波折とはやりたくない。でも、波折がやりたがっているならやってやろうじゃないか、と男気なのかなんなのかわからない気持ちが沙良の背を押していた。

 沙良がぽんぽんとベッドを叩けば、鑓水が波折を抱きかかえてベッドに乗り上がってくる。そして、波折の顔を沙良にみせるように後ろ抱きにした。波折がワクワクとしているように見えるから、こいつは人の気も知らないで……と沙良は呆れてしまう。


「さて、神藤くんはどう責めるのかな?」

「……えっ、俺からですか!?」

「いやならいいよ? 俺が先にもらうから」

「え」


 沙良が躊躇していれば、鑓水がくい、と波折の顎を持ち上げる。そして、唇を奪おうとしていたから……沙良は慌てて止めに入った。


「ちょ、ちょっと待って! それは俺から!」

「はい、おそーい」

「ぎゃー!」


 鑓水は沙良の制止を聞かず、そのまま波折の唇にかぶりついてしまった。そうすれば、波折が嬉しそうに目を閉じてキスに応じる。みているだけでも興奮してくる可愛さだけれど……やっぱりもやもやする。鑓水にキスをされて幸せそうにしている波折のことは、みていたくない。


「先輩、次こっち!」


 沙良は鑓水から奪い取るように波折の頬を軽く掴む。波折は少しびっくりしたような顔をしていたが、沙良にキスをされるのだとわかると、再び目を閉じた。これは鑓水と間接キスになるのか……とかんがえると萎えるが、でも、キスはしたい。沙良も鑓水に負けじと波折にがっつくようにキスをする。


「……いいね、神藤。波折も気持ちよさそうじゃん」

「んっ……!」


 鑓水がくくっと笑いながら、波折の乳首を服の上からつまみ上げた。びくんっ、と波折が震える。


「……そのまま、キスしてろよ」


 鑓水の指が、波折の乳首を布越しにぎゅうっ、ぎゅーっ、と引っ張る。それだけで波折の全身からは力がぬけて、くたっとしてしまっていた。沙良とキスをして絡めている舌も、へろへろとしてしまってあまり動かない。沙良が一方的に波折の咥内を掻き回している。


「んーっ……んーっ……」


 沙良も波折の身体をいじりたくなって、波折の下着に手を突っ込んだ。案の定、すでに濡れ始めている。沙良が波折のアソコ全体を手のひらで揉みしだいてやるようにすれば、波折は自ら脚を開いていって、もっとして、というふうにゆらゆらと下腹部をゆらす。


「ん……んんっ……」


 波折の甘い声は、ほんとうに気持ちいいと言っているみたいだ。この一週間、触られたくない篠崎に下手くそな抱かれ方をし続けられて、不満の溜まっていた波折の身体。一週間ぶりに優しい二人に、しかも同時に身体を触られて、幸せでたまらないらしい。いつもよりもさらに波折は感じやすくなっていて、波折のアソコをいじくる沙良の手はすでにびっちょりだった。


「神藤、」

「……ん」


 呼ばれて、沙良はしぶしぶ唇を離す。解放された波折はうっとり、くったりとしていて壮絶な色香を放っている。鑓水はふっと笑って、そんな波折から服を剥ぎ始めた。鑓水が上を脱がせているのをみて、沙良も一緒に下を脱がせてやる。二人に服を脱がされて、波折はたまらないといった顔をしていた。


「波折……乳首勃ちすぎだろ」

「先輩のここ、すっごいヒクヒクしてますね」


 一人だけ全裸にされて、まじまじと敏感な身体を観察され……波折はとろんと顔を蕩けさせた。視姦されているのがイイのだろう。はやくいじめて、とマゾヒズムに溢れた瞳を震わせている。


「神藤はさ、ほぐしてやってよ」

「……はーい」


 そして今度は鑓水が波折の唇を奪う。二人に奪い合いのようにキスをされて、波折は酸欠状態に陥りそうになっていたが、嬉しそうだ。鑓水は脱がしてからも相変わらず波折の乳首をいじりつづけている。指先を細かく震わせて乳首をぴんぴんと弾いたり、上から押しつぶしてぐりぐりとしてやったり。波折が気持ちいいと感じるいじりかたを知り尽くした鑓水に弄られて、波折の乳首をはぷくぷくに膨れ上がっていく。

 そんなふうに鑓水が乳首をいじっている間、沙良は波折の脚の間に顔をうずめて舌を使ってアソコをほぐしてやっていた。ぬれぬれのペニスの先っぽを親指でくちくちといじくってやりながら、舌でアナルを刺激してやる。先走りですでに濡れているそこはメスっぽい味がして、沙良も興奮していた。舌先でツンとつついたアナルがヒクンッと疼いて、そしてそのまま推し進めていけばびくびくっと震えて舌を受け入れる。


「あーっ……! あっ……やぁー……!」

「おい、神藤、波折イクからチンコ掴んで。まだ出させるなー」

「はーい」


 イクの早いなー、と思いながら、沙良は鑓水の指示通りペニスの根本を掴んで射精を防ぐ。どうせ3Pするならぐっちゃぐちゃにしてやりたいものだ。焦らして焦らして波折をとろっとろにしてあげたい。


「やーっ……! あーっ……いくっ……やっ……!」

「よーし、波折、我慢なー。もっと気持ちよくなるからなー」

「んんっ……!」


 沙良が舌で濡らしてやったアナルを今度は指を使って掻き回してやれば、波折のなかがきゅうきゅうと締まりだす。波折のそこは、柔らかくてすぐに三本飲み込んだ。ぬっぷぬっぷと出し入れを繰り返してやれば、波折はのけぞって中イキしそうなのに耐えている。


「あぁ……うっ……あ、ぅ……」


 びく、びく、と波折が小刻みに震えている。中の締り具合がすさまじい。はやく挿れて欲しくてたまらないのだろう。ぬきさししている手がびしょびしょになってきたあたりで、沙良が鑓水に尋ねてみる。


「そろそろ、挿れません?」

「んー? おまえ焦らしやんないの?」

「えー……いいじゃないですか、焦らさない分いっぱい突いてあげれば」

「ひえー、それはそれで波折大変だな! どう、波折。いつもの倍突きまくるけど、いい?」


 鑓水がにやにやと笑って、波折に聞く。そうすると波折がぽやんとした顔をして、二人を見上げた。


「うん……」


 熱に浮かされたような、ゆるゆるとした声で、波折が言う。期待いっぱいの声だ。これはたぶん、挿れた瞬間にイキまくるかな、と二人は確信する。


「じゃあ、どっちが先に挿れます?」

「えー、俺。先輩にそこは譲りなさい」

「えっ、鑓水先輩はキスを先にしたんだから今度は俺です!」

「あー? じゃーいいよ。おまえちゃんと波折のことイカせろよ。最低10回」

「10回は多い!」


 ふん、と鑓水が笑う。波折を反転させて、うつ伏せにして腰を持ち上げ、獣のような格好をさせる。


「じゃ、ケツには神藤が突っ込むってことで。波折、上の口に俺が突っ込むから」

「……フェラ?」

「そうそう、上と下両方に突っ込んであげる」

「ふふ、」


 波折がくい、とお尻を沙良に向ける。挿れて、と言っているみたいだ。そして、目の前に座っている鑓水のペニスを取り出して、ちろちろと舐め始める。この波折に突っ込むのか、と沙良はどきどきしたが、ためらわずに猛りをアソコにあてがってみる。


「んっ」


 波折がぴく、と震える。嬉しそうに上擦った声を漏らして、鑓水のペニスをぱくりと咥え込んだ。それと同時に沙良も波折の中にずぶぶ、と挿入していく。


「んんー……!」


 上と下、両方に熱いものが挿れられる。波折は満足気に目を閉じて、それを味わっていた。口のなかにいっぱいになっている鑓水のものと、お尻のなかに挿れられている沙良のもの。身体のなかが二人でいっぱいになっていることが嬉しいのだろうか、波折のなかはぎゅーっとしまってゆく。


「先輩、動きますよ。気をつけてくださいね」


 鑓水先輩の間違って噛んだりするなよ……と内心びくびくしながら、沙良はゆっくり抽挿を開始した。ぬこ、ぬこ、とゆっくり動いているだけでも、波折は気持ちよさそうにしている。動く度になかがビクンビクンと痙攣するものだから、沙良の興奮も煽られてしまう。


「んっ……ふっ……んんっ……」


 でもやっぱり沙良のゆっくりとしたピストンが焦れったいのか、波折の腰はくねくねと動いている。足りない、という気持ちをフェラに注ぎ込んでいるのか、それは激しい。波折は自分で頭を上下させて、ズボズボとペニスを口のなかでピストンさせている。


「神藤ー、波折まだまだいけるぜ、もっと激しくやってやれ」

「……たしかにまだイケそうですね」


 鑓水が波折の頭を撫で撫でとしながら、ほら、と笑う。波折も「お願い」とおねだりするように、お尻を沙良の腰にぐいぐいと押し当ててくる。ああ、よし、やってやろう。沙良はふう、と息を吐いて……一気に波折を突き上げた。


「んんっ!」


 パンッ、と思い切り最奥を突いてやると、波折はぴたりととまってぶるぶると震えた。奥を突かれる感覚に震えているのだ。「イイ」んだな、と笑って沙良はもう一度、そしてもう一度強く突いてやる。


「んっ! んんっ……!」


 きゅんっ、きゅんっ、となかの締り方が激しい。波折は気持ちよすぎるのか口淫に手がまわらなくなり、鑓水のペニスにはだらだらと唾液だけが伝ってゆく。波折がふー、ふー、とシーツにしがみつきながら奥を突かれる感覚に悶えていると鑓水はクシャ、と波折の髪を掴んで言う。


「波折ー? お口が休んでいるぞー?」

「んん……」


 ズンズンと下から突き上げられるような快楽が脳天を貫いてきて、まともに口淫ができない。波折が涙目で鑓水を見上げれば、鑓水はあー、とわざとらしくため息をつく。


「まったく波折くんは。特別俺が動いてあげる」


 鑓水はそのまま、波折の頭を揺さぶり始めた。波折の口に、強制的に鑓水のペニスが抜き差しされる。そんな無理矢理に近い口淫でも波折は嬉しいのか、うっとりとした顔をしている。


「んんっ……んっ……」


 ずっぷずっぷ、ずっぷずっぷ。上と下からペニスを受け入れて、波折は幸せそうだ。ビクビク、ビクビク、となかは何度も何度も痙攣していて、イキまくっている。二人とも抽挿の速度はどんどん早めていき、更に波折を追い立ててゆく。


「先輩っ……なか、すごい……!」

「波折、じょーずだ、フェラ上手だぞ」

「んー……んー……」


 うねって沙良のペニスに絡みついてくる波折のお尻の穴はすごくて、沙良もそろそろ限界に近づいてきた。更にピストンの速度をあげていって、ドスドスと思い切り突いてやる。ギシギシとベッドが激しくきしんで、やかましい。やがて射精感が訪れてきて、奥にぐっとペニスをねじ込んで……沙良は中に出してやる。


「あっ……」


 沙良がペニスを引き抜くと同時に、鑓水も波折に口淫をやめさせた。ぬぽ、と口とお尻からペニスが抜かれると同時に波折はくたりと身体を横に倒してしまう。はー、はー、と満足気に息を吐いて、余韻に耽るように目を閉じていて、とても気持ちよさそうだ。


「波折、休んでいる暇はねーよ」

「んー……つぎ、けいた?」

「そう。そんでまた神藤。何回もやるからな」

「ん……せーえき、そんなになかにはいらないよ……」

「ぱんぱんにしてほしいだろ」

「うん……」


 鑓水が交代、と言って沙良と位置を入れ替える。今度は波折を仰向けにしてやって、沙良が後ろから波折を抱きかかえた。沙良に寄りかかりながら波折は鑓水と向かい合わせになって、ぱかりと脚を開く。今度は正常位。鑓水は波折の脚を掴むと、ぐっとなかにペニスを押し込んでゆく。


「あっ……ふ、……」


 ぴく、ぴく、と波折が震えだして沙良に擦り寄る。沙良がよしよしとその頬を撫でてやると、ほう、と息を吐いてとろんと顔を蕩けさせた。鑓水が奥まで挿れてやったところで、波折はぎゅっと目を閉じて一回イッてしまった。


「あっ……あっ……」


 鑓水がピストンを始めると、沙良も波折の身体をいじり始める。後ろからくりくりと片方の乳首をこねくり回し、そして口には指を突っ込んでやる。にゅぷにゅぷと口の中に指を出し入れしてやれば、快楽のせいでしまりのなくなってしまったそこから唾液がこぼれてゆく。


「あーっ……あっ……いくっ……いくっ……」

「はえーっつーの。俺はまだまだ」

「やーっ……あっ、イッちゃうっ……」


 鑓水がパンパンと腰を打ち付けている間に、波折は何度イッたのだろうか。お腹がびくんびくんと動いていて、なかが収縮しているというのが、沙良からも見て取れた。波折のなかはペニスを欲しがって欲しがってきゅうきゅうに締め付けてくるから本当に気持ちいいんだよなあ、と考えていると、沙良のものはまた固くなってきてしまう。


「あっ、あっ……」

「イきすぎだ、波折」

「だって……きもちいい……あぅっ……やーっ……またイッちゃう……!」

「せーんぱい。このあとに俺もまた挿れるんですからね」

「あぁ……おかしくなっちゃう……」


 二人から愛されまくって、波折の身体は全身とろとろだ。くったりとしていてもう自力では動けない。二人からの愛はすでにキャパシティをオーバーしているのに、気持よくてまだまだ欲しい。


「あんっ……中出ししてっ……あふっ……」


 何度中に精液を注入されても、もっともっと欲しい。おなかいっぱいになるまで、まだまだ、まだまだいれてほしい。二人の愛に溺れたい。だから……波折は意識朦朧としながらも、身体がぐちゃぐちゃになっても、請い続けた。二人もそんな波折に煽られるようにして、次第に激しく、めちゃくちゃに波折を抱いていったのだった。


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