甘い恋をカラメリゼ | ナノ
 une


 わりと冷たいんだね、と言われたことがある。

 胸を焦がすほどの恋とか、自分を忘れるくらいの愛とか、運命とか。それらを、わからなかったからだ。

 決して、それらをばかにしていたわけではない。本当に、わからなかった。たぶん、それは性格の問題だったりするのだろうとも思っていたから、一生自分はそれを知ることはできないと、そう考えていた。

 だから……そのころの自分が、今の僕をみたら驚くだろう。年甲斐も無く恋をして、ショーウィンドウにならぶ洋菓子よりも甘い愛を囁いて、そしてそんな今を運命だと言える、梓乃くんと出会ってからの僕を。


prev / next


×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -