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付き合ってはいけない職業3S:消防士


Twitterのプラスタグで上げた『付き合ってはいけない職業』シリーズのお仕事パロディメモです。


頻繁に煙草とコーヒーを買いに来る黒髪のイケメンと仲良くなりたいと思っていたコンビニ店員の夢主ちゃんはある日思い切って声をかけてみることにした。『あの……わたしすぐそこのアパートに住んでるんですけど、もしうちが燃えたら来てくれますか?』「は?」面食らったイケメンさんは濃紺のツナギにオレンジのラインが入った消火隊の活動服を着こなしている。「…まぁ、行くけどな。仕事だから」と言い残し道路を挟んだ向かいにある消防署に向かって行く背中に仕事頑張ってくださいと小さく手を振った。消防士が喫煙ってイメージ的に大丈夫?しかもあの人絶対ヘビースモーカーだよと思いながら。

それ以降来店する度に挨拶する仲に。『煙草吸うと腕立てできなくなるらしいですよそんで10年後の死亡率爆上がりです土方さん』と店のコピー機でプリントアウトしておいたカプランマイヤー曲線を指すと「いいから仕事しろよ」と心底鬱陶しそうにされる。『今日うちに遊びに来ませんか?そしてその筋肉見せて下さい』「燃えたらな」そんなやりとりを楽しんでいるとある日、本当に夢主ちゃんのアパートが燃えた。なんか煙くさいな?ガス漏れ?と訝しんでると真っ黒い煙が部屋に充満していく。夜中なので頭もうまく働かず危うく逃げ遅れそうになったが消防隊が駆けつけてくれて無事に救助される。消火隊の土方さんから「火元は隣人の寝タバコだった」と説明され全焼は免れたものの部屋はかなりの損害で荷物もほぼなくなる。
「…落ち着くまでウチ来るか?」との誘いで土方さんちに居候することに。『燃えますか?』「燃えねぇよ」

広いワンルームはちょっぴりヤニ臭いけど住み心地最高でお礼に家事を引き受けることに。初めてそのスーパーマッスルボディを見た時には手を合わせながら『お納めください』と差し出した半分焼け焦げた預金通帳を見下ろす土方さんの憐れむような目は忘れられない。お互いに恋愛感情はないので割と楽しいルームシェアを過ごす。『土方さん好きですでも彼女になりたいとかじゃなくてその外腹斜筋の溝になりたいプロテインになりたいソイでもホエイでもいいです』「お前マジで話通じない時あるよな」
さて居候生活も何やかんやひと月になるので本腰入れてアパート探しを始めると土方さんも「住む所見つかったか」と何度も聞いてくるのでいよいよ本当にさよならだと寂しくなる。物件の目星をつけた日の夜、「…お前が良ければもう少し一緒に暮らさねぇか。不規則な生活で家事やってくれるの助かるし、まぁ…その、なんだ、お前が側にいると一日頑張れる気がすんだ。それだけだ」
そんなわけでお互いに恋人ができるまで延長することに。さてルームシェアから恋は生まれるのか。





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