十代目の幼なじみの苗字名前。
野球バカとも仲がいいらしく必然と一緒にいることが多かった。

幼なじみと言えど十代目にべたべたべたべたすっから、いつからだったか苗字を十代目から引き剥がすのがオレの日課となっていた。

苗字はオレが皮肉を言うとむっとした表情で言い返してくる。
女なのにオレに物怖じしない態度は珍しくて、口喧嘩するのも不思議と悪い気はしなかった。

苗字がいるのが当たり前になって、なんとなく気になるという気持ちが「好き」だというのに気付いたのは、つい最近。

気付いたからには意識せずにはいられねぇ。
他の奴らと仲良さそうに話してる苗字に何度も口喧嘩をふっかけた。



『私が誰と話そうが別にいいでしょ!なんで邪魔してくるのよ!?』

「邪魔なんかしてねぇ!ぎゃあぎゃあうるせぇって言ってるだけだろうが!!」

『今の獄寺の方がうるさいと思うんだけど…、話の途中だったから戻るからね!』

「な……っ」

『……何?まだ何かあるの?』

「……いや。なんでもねー…けど」

『…けど?』

「……あんな奴等の所に行くんじゃねぇよ」

『は……?』

「あ…、いや…」

『………獄寺、なんか、その言い方って』

「……んだよ」

『妬いてるみたいじゃない?』

「…ー…ッ」

『……なんてね…って、あれ?獄寺、顔が真っ赤…』

「な……っ」

『もしかして、図星だった?』

「…ー…っ!!」



流れで告白まがいな事を言っちまった。
「勘違いするんじゃねぇ!」と言う前に「図星?」と言われたら、また顔が熱くなって言葉が出なくなった。

そんなオレを苗字はくすくすと笑って、あっけらかんと言った。



『じゃあ……付き合う?』

「は………」



その一言に驚いて吸っていたタバコをポロリと落としてしまう。
また、苗字に笑われちまった。









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