今日はクリスマスイヴ。 外を見るとふわふわと白い雪が舞っていて今年のクリスマスはホワイトクリスマスとなった。 白蘭さんがいつも食べてるマシュマロみたいに真っ白な雪。 クリスマスに雪だなんてロマンチック。 恋人の白蘭さんと過ごす予定だから、いいクリスマスになりそう。 って、思っていたのに。 『うー…』 「三十八度……完璧に風邪だね、名前」 『……っ』 朦朧とする意識。 熱いのに背中がゾクゾクと寒気がして仕方がない。 クリスマスは白蘭さんと過ごすはずだったのに、まさか風邪をひくなんて…!! 楽しみにあれこれ計画していたから余計に悲しくなってきた。 今年のクリスマスは最悪だ。 「あー、涙目になっちゃって。辛い…?」 『大…丈夫、です…』 「名前、無理しないで眠りなよ」 『で、も…っ』 「クリスマスだから?」 『う……』 コクリと頷くと白蘭さんはくすくす笑って頭を撫で額にキスを落とす。 そして、さらに顔が赤くなった私を見て、もう一度、頭を撫でた。 そんな事をされると、また熱が上がっちゃいます、白蘭さん…っ 「風邪が治ったら、どこかに出掛けようね」 『白蘭、さん…』 「僕は看病で傍にいられるから悪い気はしてないよ。仕事もサボれるし」 『……ごめん…なさい』 「気にしないでよ、早く眠って可愛い寝顔を見せて」 『へ…っ』 「不謹慎だけど熱にうなされる名前、色っぽくていいよね」 『…〜…っ』 「そっぽ向かないでよ、冗談なのに」 白蘭さんが一瞬、妖しい笑みを浮かべるから寝返りしてベッドの端に逃げる。 後ろでは「寂しいなー」と呟いてるけど、私はだんまり。 もう、このまま眠っちゃおう…!! 『……』 「お邪魔しまーす」 『な…っ!?』 「僕のためにスペースを開けてくれたんでしょ?」 『ちが……っ』 「はいはい、分かってるから静かにしてなよ」 ベッドの中に入ってきた白蘭さんに後ろから抱きしめられた。 そんなに近づかれると汗ばんでるし風邪がうつっちゃうかも知れない。 そう言うと「気にしないよ」の一言。 こっちとしてはどうしても気にしてしまう。 だけど抱きしめられていると一緒にいるんだって事がよく分かって嬉しい。 「ねぇ…」 『……?』 「さっきはさ、熱にうなされる名前が色っぽい、みたいな事を言ったけど…」 『白蘭、さん…?』 「やっぱり名前は笑ってる方がいいな」 『……っ』 「……おやすみ、ゆっくり休んで」 『…っはい。おやすみ、なさい』 風邪をひいて最悪なクリスマス。 だけど白蘭さんがこうして抱きしめてくれて、すごく嬉しくて暖かい。 来年も、その先もずっと一緒にいてください。 そう心の中で呟いて白蘭さんの体温を感じて目を瞑った。 貴方と過すクリスマス どんな最悪も最高に変わっちゃうんだ! end 2009/01/02 |