いつもいつもベルのペースに振り回されて、私は大切な事もあやふやに伝えてるだけ。
それでも満足そうに笑ってる。隣にいてくれる。

自分の傍を離れない事は言わなくても分かっているからいいってベルは言う。
だけど、恋人同士だからこそ、きちんと伝えたい事があるものなんだよ?

今日こそは、ちゃんと伝えたいな。


***


本日はお休み!私はまったりのんびり、ベルの部屋で過していた。
恋人であるベルフェゴールはというとソファーで偉そうにふんぞり返って、もとい寛いでお菓子を食べてる。

私はそんなベルの前に正座した。
傍から見れば私がベルに叱られてるみたいだけど細かい事は気にしてられない。



『ベル、話があるんだけど…!!』

「あー?つか、何で畏まってんの。いくら王子の前だからって」

『話があるから、聞いて』

「ふーん」



お菓子をパクッと口に放ってダルそうに私を見ている。
どうせ、また下らない事を考えてるな、とか思ってるんでしょ!



「名前も食う?」

『え?』

「ほら、口、開けろよ」

『あ…っ、え…!?ん……!』

「この菓子、飽きたー」

『……っ!?だ、だからって私に回さないでよっ、太っちゃう!』

「ししっ、気にする事ねーじゃん」

『気にするってば!!』



…って、そうじゃない!
今はこんな事をしてる場合じゃないのに!

むっとしてベルの顔を見つめると、また口にお菓子を放り込まれた。
バカにされてるような気がするけど美味しいからついつい食べてしまう。



『べ、ベル!私の話、はぐらかしてない?』

「してねーよ。言いたいなら早く言えって」

『………き』

「ん?」

『…ー…ベルが好き』

「は…?」

『だっ、だから!好きだって言ってるの!』

「………」

『……?ベル?』



これ以上、やり取りしていたら、また言うタイミングがなくなっちゃう!という事でムードも何も考えない伝え方。

聞こえなかったのか、もう一度、大きな声で好きって言ったらベルはそっぽを向いて私を見やしない。
どうしたのかとベルを覗き込むと、またぷいっと顔を背けた。



『どうしたの?』

「待った。こっち見んな、バカ名前」

『なっ!バカって何よ!』

「いいから。人の顔をジロジロ見んなっつーの」

『あ………』

「………」

『ベル、もしかして、照れてる?』

「…王子が照れる訳ねーだろ。」

『嘘だー!顔が赤いよ!』

「……お前、死にてーの?」

『大好きなベルに殺されるなら別にいいけど!!』

「………恥かしー奴」



恥かしい奴はベルの方。
いつも「王子のもんだから」とか言ってるくせに私が改めて好きって伝えたら顔がほんのり赤く染まっている。

好きって言わなくていいって言うのは、もしかして照れちゃうから?
赤くなった頬を見られたくないから?

もう一度、大好きと言って抱きつくと気恥ずかしそうに笑って私の頭をくしゃりと撫でた。












『ベル、だーいすき!』

「…何度も言うなっての」

『やっぱり顔、赤いね?』

「うっせー」



end



2009/01/08

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