冬の休みを利用してヴァリアーの皆で日本へ! 年越しを日本で迎えるなんて初めて。 いつもと違う雰囲気に私はわくわくして新年を待っていた。 「……」 『………』 滞在してるヴァリアーの別荘の大広間でフランと二人でぼーっとテレビを見る。 スクアーロとベル、マーモンは竹寿司へ。 ボスは屋敷でワインを飲み、そんなボスにレヴィは付きっ切り。 ルッスーリアは寝不足はお肌の天敵だからとか言って、もう夢の中。 だから必然的にフランと二人きりになってしまった。 毒舌には慣れたけど二人きりは初めてで緊張する。 今年最後に毒舌で何か言われるんじゃないかって思ったら余計に。 後輩にビビるなんて私はなんて小心者なんだろう。 でもさ、アホのロン毛とか堕王子みたいに言われたら凹むもん。 テーブルにはお菓子にジュース、お酒やおつまみを用意してあるけれど私達は手をつけず沈黙が続く。 テレビ番組にも興味がなく、する事がないから私もそろそろ寝ようかな、と席を立とうとしたらフランが話しかけてきた。 「名前センパイ、もう寝るんですかー?」 『え?あぁ、うん……フランは寝ないの?』 「ミーの隣の部屋、スクアーロ隊長なんですよねー」 『…?それが?』 「う゛ぉ゛ぉいう゛ぉ゛ぉい煩くて眠れなかったんです、昨日」 『う゛ぉ゛ぉい…って、もしかして、いびき?』 「さぁ?寝言も大声だったんで、いびきとの境がよく分からないんですよー」 『……』 参っちゃいますよね、アホのロン毛隊長ー、と言葉を続けるフラン。 冗談なのか本当の話なのか分からないけどスクアーロならありえそう。 フランの表情が本当にうんざりしているように見える。 スクアーロの寝言が相当、煩かったんだろうな。 想像したら面白くて、つい笑っちゃった。 「笑いごとじゃないんですけどー」 『あ…、あぁ、うん、ごめんごめん。』 「それでですねー、あまりに煩かったんで夜は眠れず昼寝したんですよー」 『……、まさか今、全然、眠くないとか?』 「そういう事ですー、ミー、困ってるんですよー、名前センパイー」 『……そう。それじゃ私はー…』 「可愛い後輩が困ってるのに放置なんですかー?」 『う……だって、ずっと起きてる訳には……、大体、何するの?』 「えーっと……、じゃあ、せっかくなんで初詣に行きませんかー?」 『初詣…?…そうだね、せっかく日本に来たんだし行ってみようか!』 「……!」 コート取って来るねー、と部屋を後にする。 お昼寝したから夜に眠れないとかフランも中々、可愛い所あるじゃない。 こうして私とフランは初詣へ出かけた。 人がいっぱいいて、はぐれないようにと、お互いの冷たい手を繋げば暖かくなった。 デートみたい。 そう思いながら澄んだ夜空を見上げると綺麗な鐘の音が辺りに響いた。 A HAPPY NEW YEAR 『ねぇ、何をお願いしたの?』 「恋愛成就と堕王子暗殺許可でますようにってお願いしましたー」 『暗殺許可…って、え!?恋愛成就!?フラン、好きな子いるの!?』 「……気づけよ、鈍感」 『……?』 「あー…、名前センパイの鈍感をどうにかして下さい、神様ー」 end 2009/01/02 |