君と過ごす冬



それは季節が冬に変わったことを感じさせるある寒い日のこと。

『あ、もしもしスクアーロ?今どのへん?』

なまえの家に向かっている途中、携帯に着信がありとるとなまえからだった。

「なんだぁ?あと10分くらいで着くぞぉ」

スーパーの前辺りだと言うとなまえは丁度よかったと言った。

『あのさ、アイス買ってきてくれない?』

「アイスだぁ!?」

このクソ寒いのにアイス…いったいこいつは何を考えているのか。

「そ、アイスクリーム!2つ買ってきてね!」

「う゛お゛ぉい、ちょっと待…」

オレの言葉を待たずじゃあ待ってるから!とどこかうきうきした声で一方的に切られた電話。
いつものことながらあいつの考えてることは全く分からないがとりあえずアイスを買いに店に入った。


+++


「スクアーロいらっしゃい!」

「あ゛あ、アイス買ってきたぞぉ」

「ありがとう!寒かったでしょ。上がって上がって!」

差し出した袋を受け取ったなまえはとても嬉しそうだ。

「何でアイスなんだぁ?」

わざわざこんな寒い日にと問えば部屋に来れば分かるよーと言われた。
…電話の時も思ったがなんつーか今日テンション高いな。

「スクアーロ早くー」

「あぁ、今行く」

なまえに促され部屋に入る。
と、そこにはこの前来た時にはなかったものがあった。

「へへーこたつ!いいでしょ。今日出したんだ!」

「こたつ…」

確か日本で冬に使う暖房器具だ。
あのテンションの原因はこれだったのか。

「さぁさぁ入って!アイス食べよ」

「…こたつでアイス食うのかぁ?」

普通はこたつでみかんとかじゃねえのかあ?とつっこむ。


「うーん…こたつで食べると美味しいものはいっぱいあるからさ」

これからいっぱい一緒に食べようね
そう言ったこいつの笑顔に今年の冬は楽しくなりそうだと思った。


君と過ごす冬



*元拍手御礼









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