「わぁっ…!」 今日は京子ちゃんとハルがなまえに会いにやってきている。ハルとは前に1度会ったことがあるなまえは、京子ちゃんともすぐに打ち解けた。先ほどまで絵を描いたり折り紙をしたりして遊んでいた3人は、今はオレの部屋でテーブルを囲んでいる。 「はい、なまえちゃんどうぞ」 「ここのケーキはとっても美味しいんですよ!」 2人はお気に入りのお店でケーキを買ってきてくれていたらしく、いちごのショートケーキを前になまえはきらきらと目を輝かせている。 「…いただきます!」 そんななまえを2人はにこにこと見守っていて。一口食べた瞬間、再びぱあっと顔を輝かせたなまえを見て2人も嬉しそうに笑った。 「美味しいですか?なまえちゃん」 「うん!あのね、ほっぺがおっこちちゃいそうなくらい、おいしいよ」 「ふふ、良かった」 「ハルちゃん、京子ちゃん、ありがとうっ」 そういえば前にもこんなことあったな。イーピンが来た頃。あの時も確か2人とケーキを食べたんだ。女の子って甘いもの好きなんだな。幸せそうに笑う3人を見て、そんなことを考えながらカップに口をつけた。 「なまえちゃんは将来の夢とかってありますか?」 ケーキを食べ終わったころハルがなまえに尋ねた。 「しょうらいのゆめ?」 「大きくなったらなりたいものとかのことだよ」 きょとんとするなまえに京子ちゃんが説明する。理解したなまえは、あるよ!と嬉しそうに言った。 「なまえね、おっきくなったら恭ちゃんのお嫁さんになるの!」 「っ…!ごほっ…」 満面の笑みを浮かべながらなまえの口から出された答えに、コーヒーを飲んでいたオレは思わず咳き込んでしまった。大丈夫?と京子ちゃんが心配してくれる。 「はひ…雲雀さんのお嫁さんですか…?」 ハルも少し驚いたような反応をしている。 え、だって歳の差どんだけって話だよ。雲雀さん何歳か知らないけど…オレより上だから15くらいは違うんじゃないか? 小さい子はお父さんと結婚するって言ったりすることあるけど、なまえが雲雀さんのお嫁さんになりたいって言うなんて…。何とも複雑な気持ちだ。 「恭ちゃんにはしーだよ」 オレの心境なんて知る由もなく、口元に指をあててそう言ったなまえ。 「素敵な夢だね。ね?ハルちゃん」 「は、はいっ、そうですね!」 京子ちゃんが笑って、ハルが頷く。それを聞いたなまえの笑顔が本当に嬉しそうだったから、何だかオレも笑ってしまった。 なりたいものは 「なまえちゃん可愛いね」 「ハルはなまえちゃんの夢応援しますよ!」 ← → back |