「ったく、どこ行ったんだ瓜のやつ…」

瓜が脱走した。屋敷の中を探して回る。談話室へ行くとソファーの下を覗きこみながらしゃがんでいるなまえが見えた。

「なまえ?なにしてんだ?」

「はやと、ねこちゃん」

ねこ?なまえのそばまで近より、隣にしゃがんで同じようにソファーの下を覗き込む。

「瓜!こんなとこにいたのか!」

そこには脱走していた瓜がいた。いくら探してもいないと思ってたらこんなとこにいたのか。…つーかこっち向かって威嚇すんな!

「なまえ、あぶねーから離れろ。瓜は…」

「うりちゃん」

こっちに向かって歯をむいている瓜から遠ざけようとなまえの方を向く。しかし、なまえはそのまま瓜に近寄って手を伸ばし撫でた。ソファーの下から出てきてなまえにすり寄る瓜。

「お前っ…オレには懐かねーくせに」

「にゃあ」

「うりちゃん、にゃー」

……まぁいいか。
楽しそうに瓜とじゃれているなまえ。
雲雀がなまえをこのアジトに連れてきたときは正直驚いたし、少し心配だった。でも、この笑顔を見る限り上手くやってるみたいだ。あいつが子どもと遊んでるとことか想像つかねーけど。さすがに雲雀も小さい子どもに手あげたりはしねえよ、な…?

「………。なまえ」

「なに?はやと」

「あー…あれだ、何か困ったことあったら言えよ」

「こまったこと?」

きょとんとした顔でこっちを見つめるなまえ。いや、大丈夫だとは思うんだけど万が一ってのがあるからな…。

「もし雲雀に何かされそうになったら…

「あ、恭ちゃん!」

…え?」

話の途中でぱあっと顔を明るくしたなまえに、振り返ると後ろに雲雀が立っていた。


いらない心配


「獄寺隼人、何してるの?咬み殺すよ」

「な、雲雀!つーかお前子どもの前でそんな言葉使うなよ!」

「うるさいよ」


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