2.不思議な少女


不思議なんですよねー
ここにいるのはミーも含めマフィアとか殺し屋とかそーゆー人たちなはずなんですけど。

「ははは!ハモった!」

目のまえで笑っている女は明らかに殺しとは無関係な一般人。殺し屋の中で普通に笑う彼女の存在はマフィアの、しかも暗殺部隊の中で生きているミーにとっては結構な衝撃でした。
そういえば本人に聞いたこともありましたねー…



********************



「あなたは何でここにいるんですかー?」

いつだったか2人きりになる機会があったので出会ったころから気になっていたことを聞いてみた。なんで彼女に聞いたかって?犬兄さんは覚えてないびょんだし千種兄さんに聞いてもめんどいって言われるって分かってますからねー…
あと師匠とボンゴレの霧の守護者には聞く気になれなかったんでー

「…ちょっと待って。きりのいいところまで」

マンガを読んでいた彼女は一瞬ミーの方を見た後、再びマンガに目を戻して言った。
ていうかそれイタリア語なんですけど分かってるんですかねー。読むスピードが尋常じゃないんですけどー

「……なんでって?」

15ページ程進んだところでマンガを閉じた彼女が言った。きりのいいところまでって1話終わるまでとかじゃなくて全然途中なんですけど…
基準が謎ですー
ま、いいですけど

「…師匠や犬兄さんたちとどうやって知り合ったんですかー。きっかけとかー」

「ああ、きっかけ?きっかけ…は店番、落し物、いや生徒手帳?」

「………」

全くもって意味が分かりませんー
店番?ああ確か駄菓子屋の孫娘とか言ってましたっけ。それにしても生徒手帳って

「じゃあフランは何でそれ被ってるの?」

黙ったままでいると今度は彼女がカエルを指して聞いてきた。
じゃあの意味がわかりませんが。

「…前任の、マーモンとかいう人の影響で被らされてるんですー」

ま、言っても分からないと思いますけど

「善人のまーもん??」

「…………」

どこでどう間違えたらそんな変換になるんでしょう…
存在だけじゃなくて思考回路も不思議な人ですー

「よく分んないけどそれカエルなんだよね。あたし最初に見た時ヤモリかと思ったよ」

「頭だけじゃなくて目も悪いんですかー」

「目はいいよ。両方2.0だもん。でもそっかー善人のまーもんかぁー」

「………」

こういうこと言うとどっかの堕王子なんかはつっかかってくるんですけどねー
さらりと流した彼女は会話に飽きたのか再びマンガを開いた。

「…それ、イタリア語ですけど分かるんですかー?」

「ん?イタリア語は分んないよ?」

「分からないのに読んでて面白いんですかー?」

「だってマンガじゃん。絵見たらだいたい分かるよ。超ギャグ漫画だよね」

「………」

表紙と題名を見る限り青春恋愛マンガだと思うんですけどー…
どこをどう見たらそう解釈できるんですかねー

「あはは!日本のより面白いかもね!」

「…よかったですねー」


あれはまだ出会って間もないころで。結局どうして彼女がここにいるのかは分からなかったしただただ変な一般人だと思った。



********************



「なまえ笑いすぎだびょん!」

「ごめんごめん、…っく!」

何のツボにはまったのか笑いを抑えきれない様子の彼女とじゃれてる(ようにしかみえない)犬兄さん。
彼女がここにいるのは犬兄さんを筆頭にみんなが彼女の存在を、彼女に心を許しているからで。やっぱり彼女はただの一般人じゃないのかもしれません。師匠の周りに集まる人ってなんでこんなに変な人ばっかりなんですかねー…ジャッポーネで言う類は友を呼ぶってやつですか?

「…なまえさんいい加減にしてくださいー」





ま、ミーもその1人なんですけど







「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -