「うまそう!」

「うまそう!いただきまーす」

今日も今日とて昼休みには野球部の声が響く。いつもと違うのはみょうじが一緒にいること。いつもはクラスの女子と食べてるが今日はその友達が彼氏と食べるとかでいないからオレ達と食べているわけだ。

「うめー!」

「ほんとだ。田島っちの美味しそうだねー」

「昨日姉貴の誕生日でごちそうだったんだ!」

だからそのあまりもん!と田島は嬉しそうに笑った。

「みょうじさんのも美味しそう だね!」

「そー?ありがとー」

お母さんに言っとくーと笑うみょうじの弁当はなるほど小さくて可愛らしくてまさに女の子のお弁当と言う感じだ。

「みょうじって料理できんの?」

自分の弁当を食べながら泉が尋ねる。

「あんましないけどできるよー」

「へー。じゃあ得意料理は?」

「おにぎり!」

みょうじがいっつもみんなに作ってるでしょ?と笑う。…まぁマネジだもんな。確かにそうなんだけどおにぎりは料理っていうのかという疑問が浮かんだ。あの顔は泉も同じことを思ってるんだろう。

「ごちそうさまー」

「美味しかったねー」

弁当を食べ終わり3人はいつも通り寝る態勢に入る。

「あれ、みょうじって野球部だっけ?」

3人を横にみょうじと喋っていると食堂から帰ってきたらしい近くの席の男子達が声をかけてきた。

「そーだよ。マネージャー」

にこと笑ってみょうじが答える。いつもより声は押さえ気味だ。普段田島達と子どもみたいにはしゃいでるのにこういう気づかいできるのがマネジぽいんだよな。…まぁまだみんな寝てねーと思うけど。

「野球部ってマネージャー2人いんの?」

「うん、もう1人は5組の篠岡ちよちゃんだよ」

「いーなぁ。バスケ部今マネジいねえんだよ」

「へー大変だねー」

「そーなんだよ。野球部2人いんならみょうじバスケ部こない?」

「えぇー?」

冗談めかして笑ながら言うクラスメートにみょうじも困ったように笑う。

「な、田島いーだろ?」

もう1人のバスケ部が田島に話を振った。いつのまに起き上がってたんだ。

「だめだ」

珍しく真顔でキッパリと言い切る田島。

「みょうじはうちの大事な仲間だからな!な、みょうじ、泉!」

「うんっ!」

「おぉ」

そしてそう言ってニカッと笑った。続いて「な、三橋!」と机にうつ伏せていた三橋の背中を勢いよく叩く。叩かれた三橋が寝ぼけ眼ながらもうんと頷いた。

「なんか腹減ったー!パン買いに行こおっと!」

「お、オレも!」

「あたしもジュース買いに行く!」

唖然とするバスケ部を教室に残し三橋、田島、みょうじの3人は購買へと走って行った。


真昼の青春劇場


「オレあいつらのザ・青春なノリについてけないんだけど」
「オレは慣れたよ。…入れねーけど」



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