「あ、さかちゃん!」

「みょうじ」

休み時間、自動販売機の前でみょうじに会った。

「朝練ぶりだねーさかちゃんもジュース買いに来たの?」

「うん、みょうじも?」

「そーだよー」

オレのもとにやってきたみょうじはそう言って笑った。そして何にしようかなーと自動販売機を眺める。うちの高校の自販機けっこう種類あるんだよね。

「さかちゃんは何にしたの?」

「オレはこれ」

「あぁ、レモンティー!さかちゃんぽいね!」

オレっぽいってどういうことだろう。みょうじはうーん…と悩んだ後ピーチティーのボタンを押した。

「すごい悩んでたね」

「うん、迷ったら結局いつもこれにしちゃうな」

「はは、よく買うのって決まってくるよね」

「ねー色々挑戦はするんだけどね。あ、これこないだ飲んだら美味しかったよ!」

そう言ってみょうじが指した先を見る。

「スパークリング緑茶…?」

「うん、今あたしと田島っちの間で密かなブームなんだ」

「へぇ…」

はじける渋さが何とも言えなくてねー…でもいずみんにはお前らよくそんなもん飲めるなとか言われるんだよねと話すみょうじ。その光景が目に浮かぶようで自然と笑いがもれた。

「いずみんはね葡萄味のよく飲んでるよ。みはちゃんはオレンジジュースで浜ちゃんはカフェオレ、田島っちは色々飲んでるけど…」

「そうなんだ。巣山は烏龍茶とか飲んでるよ」

「あーぽいぽい!」

そう言って笑うみょうじは楽しそうだ。

「野球部のみんなは何が好きなのかなあ。阿部ちゃんがいちごみるくとか飲んでたら面白くない?」

「ぶ!」

そんな可愛らしいの阿部が飲んでるとか想像するだけで面白い。甘いの好きじゃなさそうだし。

「よし、今日聞いてみよっ」

え?と聞き返そうとすると予鈴が鳴った。

「じゃあまた部活でね!」

「あ、うん、またね」


自動販売機でよく買うジュース


「ねぇねぇ阿部ちゃん!いちごみるく好き?」
「は?」
「ほんとに聞いてる…」



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部活の時じゃなくてもみんなの話で盛り上がれるっていいなと思う。



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