「ね、こないだのロードショー見た?」

「見た!」

昼休み、弁当を食べ終わってそう言ったみょうじに田島が答える。オレも見たよと言うとオレも見たと泉も言う。

「やっぱりすごい面白かったよね!」

「な!」

興奮気味に話すみょうじに同意する田島。二人とも映画とか好きだったっけ。そう思っていると、隣同士に座っていたみょうじと田島がおもむろに手を重ねる。

「「バルス!!!」」

そしてふっと真顔になった二人によって滅びの呪文が再現された。何でオレに向かって言うんだよ!と泉が抗議している。笑ったら泉に睨まれた。いやここは笑うでしょ。本当にこの二人はこういうことを突然やるから面白い。

「みはちゃんは見なかった?」

「うん、寝ちゃってて…」

「まぁ部活終わった後だしな」

あれだけきつい練習をしているんだから帰ったらすぐに寝てしまうのも当然だ。みょうじはともかく田島と泉にそんな元気があったことにオレは驚きだ。

「あ、じゃあ今度みんなで鑑賞会しようよ!うちDVDあるからさ」

「いいなそれ!」

「楽しそう…!」

みょうじの提案にキラキラと目を輝かせる三橋。

「いずみんとハマちゃんもね!」

そう笑った彼女に楽しそうだなと頷き笑い返す。

「…それはいいけど田島は英語の予習まだって言ってなかったか?」

「あ!そうだった!」

泉の言葉に思い出したと田島と三橋が焦り出す。

「みはちゃんと田島っち今日あたるんだっけ?」

「そう!三橋一緒にやろうぜ!」

「う、うん!」

英語の授業まであと20分。2人にはみょうじと泉という助っ人がいるからきっと大丈夫だろう。

ロードショー

「泉ーここ教えてー」
「ああ、ここまでは読めるか?」
「……読めぬ!読めぬぞお!」
「あははははは!」
「え、みょうじさん…?」
「お前らふざけてるとバルス唱えるぞ」


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