今日は今年最初の部活。
新しい年になったからといって俺たちがやることが特に変わるわけでもない。朝からあけましておめでとうの声がとびかって、今年も頑張ろうって更に気合いが入ったくらいだ。田島と三橋は久しぶりだなんて嬉しそうに笑っているし、なんとなくみんなもいつも以上にやる気に満ちている気がする。

「あれ、篠岡は?試合の記録見せてほしいんだけど」

休憩中、年末にやった練習試合の記録を見せてもらおうと思ったら篠岡の姿が見えないことに気づいて近くにいたみょうじに声をかける。

「ん?記録ならベンチに置いてあるよ。ちよちゃんは…」

みょうじはそこで言葉を止めてふふっと笑った。…意味分かんねぇ。

「阿部ちゃんはお餅好き?」

そして突然そんなことをきいてきた。なんで急に餅なんだよと思いながらもまぁ普通に好きだけど…と答える。つーか餅嫌いなやつってあんまいなくね?

「えへへ、良かったー」

…いや、何が良かったんだ。三橋もだけどこいつも相変わらず考えてることがつかめない。

「ほんとは私も手伝いたかったんだけど。まぁ楽しみにしといてね!」

どういう意味だよと聞き返そうとしたところで、ちょうど監督に呼ばれたみょうじはそのまま行ってしまった。よく分からなかったけどまぁいいか。特に気にすることもなくベンチへと向かった。




練習が終わったあと、シガポと監督からといってみんなにぜんざいが振舞われた。篠岡が職員室で準備したらしい。
休憩中にみょうじが言ってたのってこのことだったのか。そう思っているとみんなにぜんざいを配っていたみょうじと目が合う。

「阿部ちゃん美味しい?」

「おー…お前も食えよ」

「うん!ありがとー!」

今年は絶対負けねぇ。怪我もしねぇ。
その笑顔を見て、ぜんざいを食べながらそんなことを思った。

「つーか休憩中言えば良かったじゃねぇか」

「内緒にしといた方が嬉しさが大きいかなって」


新年初部活


「阿部ちゃん、今年もよろしくね!」
「こちらこそ」


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