「あ、みはちゃん」 「みょうじさん」 体育が終わって水道に顔を洗いに行くとみょうじさんに会った。みょうじさんは同じクラスで野球部のマネージャーで。 「体育終わったとこ?」 「うん、みょうじさんも?」 「そーだよー」 オレたちは外でサッカーで、確か女子は体育館でバレーボールだったかな。あれ、バスケ…? 「みはちゃんたちサッカーだったんだね?」 「え、あ、うん、そうだよ!」 「お疲れ様ー私たちはバレーだったんだよ」 やっぱりバレーボールであってた!お疲れ様、と言ってみたらみょうじさんはありがとーと笑ってくれた。みょうじさんは、優しい。マネージャーの仕事にも一生懸命だし、こうやって部活以外の時でもオレに笑いかけてくれる。 「田島っちといずみんは?」 「田島くん は、まだサッカー…泉くんはハマちゃんと一緒 だよ」 「そっかー」 あ、みょうじさんは田島くんと泉くんに会いたかったのかな。 「あ、そーだ!」 「……!?」 突然思い出したように声を上げたみょうじさん。驚いているとこっちを向いてにこっと笑った。……? 「はい、あげるね!」 「あめ…?」 そして、手のひらにコロンと落とされた小さな飴玉。 「ポケットに入れてたやつ。体育お疲れ様!」 1個だけだから田島っちには内緒ねって笑ったみょうじさん。本当に、優しいなあ! 「あ、ありがとうっ!みょうじ さん!」 「どういたしまして!みはちゃん!」 ポケットの中の飴 「三橋ーみょうじー!」 「あ、田島っちおつかれー!」 「田島くんっ、おつかれ!」 ← → back |