5.和食と明日の予定




「ただいまー!…って誰もおらんやん。みんな仕事?」

アジトに戻ると広間には誰もいなかった。

「そのようですね。夕飯作り始めましょうか」

「うん、何作る?」

「そうですね…何か食べたいものはありますか?」

「うーん…昨日イタリアンやったから和食とか?」

あ、でも骸もイタリアの人やし和食とか作れんか、と言うと骸はフッと笑った。

「僕に不可能はありませんよ。今日は和食にしましょう」



--------------------



「わ!骸すごいな!」

広いキッチンで夕食作り。
骸手際良すぎじゃない?あたしが野菜切ってる間にほぼ出来上がってる。

「クフフフフ…料理は得意なんですよ」

「へー」

ちょっと意外やな。まぁ器用そうではあるけども。

「あ、これも切り終わったで」

「ありがとうございます。ここに入れてください。後は出来上がるのを待つだけですね」

言われた通り野菜を鍋に入れると骸が蓋を閉めて言った。
あれ、あたしほとんど何もしてへん気がする…まぁいいか。

「あのさ、ちょっと聞いていい?」

「何ですか?」

「昨日任務って言ってたけどクローム髑髏ちゃんはいつ帰ってくるん?」

出来上がるまでにはしばらくかかりそうなので気になっていたことを聞いてみる。
クロームちゃん好きやし。会いたいし。

「クロームですか…任務が終わった後彼らに会ってくると言っていましたから…」

「彼ら?」

「犬と千種ですよ」

「犬と柿ピー!?あ、会いたい…!」

10年後の2人どんなんなんやろ…マンガではちょっとしか出てへんかったからな。

「あぁ、なまえは知っているのでしたね」

「うん。クロームちゃん更に可愛くなってんねやろなー…早く帰って来―へんかなぁ」

「なまえがここにいればそのうち会えますよ」

「………」

にこ、と笑った骸の言葉にハッとなる。
ここにいれば…そっかあたしトリップしてきたんやった。全然考えてへんかったけど、ていうことはいつかは帰らなあかんのかな…

「どうしました?」

「え?ううん、別に何もないで。そーやんな。楽しみにしとくわ!」

トリップのことはよく分らんけどまだそんなん考えんでいいやんな。

「………」

「あ、そろそろできたんちゃう?みんな呼んで食べよ!」

何も言われなかったけど骸が少し心配そうな顔をしていた気がした。



--------------------



「いただきます!」

広間に集まってみんなで夕食。
どれも美味しそう!やっぱ和食っていいよね!

「なまえはどれを作ったの?」

「え゛?」

ツナに尋ねられ言葉につまる。
どれって言われてもな…

「クフフ…共同制作、といったところですかね。なまえ?」

「そうそう、一緒に作ってんもんな!」

骸ナイスフォロー!まさか材料切っただけとか言えへんからな。

「…どうりでいつもより野菜の形がバラバラなわけだ」

「げ!リボーン!」

あたしの隣でぼそっと呟いたリボーン。
読心術…!忘れとったー!でもバラバラってそないバラバラちゃうしな。どんだけ観察力あんねん。食べれたらええやん。とか思ってたら睨まれた。

「開き直ってんじゃねーぞ」

「う…ごめん!次から頑張るから!」

だから睨むのやめてー!

「なまえ?どーしたのな?」

「いや別に!?」

不思議そうに聞いてきた山本を笑ってごまかす。

「…どうせほとんどその男が作ったんでしょ。味がいつもと一緒だからね。なまえ、おかわり。いれてきて」

「はーい…」

そう言った雲雀さんが茶碗を差し出す。
せっかく骸がフォローしてくれたのに台無しや。ここの人たち鋭すぎやろ…雲雀さんが言ったからみんなにばれたしな…



--------------------



夕食後
部屋に戻ろうとすると了平さんに呼び止められた。

「会ってほしい人?」

「うむ、オレには妹がいてな。なまえのことを話したら是非会いたいと言われたのだ」

妹…笹川了平の妹っていうと…

「京子ちゃん!?」

「ぬ?あぁ、なまえはオレたちの過去を知っているのだったな。京子のことも知っているのか。それならば話が早い。会ってくれるか?」

「もっちろん!」

むしろこっちが会いたいし!

「そうか、京子も喜ぶ」

即答すると了平さんもにこっと笑った。
やった!京子ちゃんに会える!楽しみやー!何着てこ!










「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -